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先日テレビで、教員免許を取ったもののアナウンサーという道を選んだ安住アナが母校の明大で模擬授業をやるという企画をやっていた。議題は″走れメロス″。もちろんテレビ用だから練習とかしたんだろうけど、これはすごかった。しっかりと話の筋が組み立てられていて、話すテンポも、早すぎず、遅すぎず、聞きてを疲れさせず、飽きさせない絶妙なものだった。話の切り口だってユニークで面白い。記憶に残らないような話を無理に記憶に刻み付ける(暗記する)なんていうのは楽しいことではない。こんな先生に教わる″走れメロス″は忘れることはないだろう。
人に何かを伝えたければ、聞かせる工夫が必要だ。本当にがっかりするのは日本の政治家の演説。原稿に目を落として棒読みしてるようじゃ、どんなに内容が良くたって聴衆の心には響かない。反対にオバマさんなんて大したこと言ってなくたって、あの通る発声でリズミカルに繰り広げられるパブリックスピーチで聴衆を虜にしてしまう。この人に着いてけばなんとかなるかもっていうリーダーの風格と迫力があるもの。
英語は単語単語で区切らず、繋げて発音することが多く、日本語にはそれがない。言葉のしくみ的になかなかオバマさんのリズムのようにはいかないのだろう。でも安住アナの授業を見て確信した。それでもやれないこともない。若者が政治に無関心だというけど、政治家の喋ることが面白くないんだもの。面白ければいいわけじゃないけど、少なくとも演説は聴衆の耳ではなく、心に届けるものだと心得て欲しい。