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2013年09月28日(土) |
美味しいばかりの秋の一日 |
気候が良くて、美味しいものを頬張っては、うたたねする。夏の間家庭内別居していたクロエちゃんも、目を覚ますと腕の中でふわふわしている。これは至福の時だ。
近所に住むインドから来た同僚夫婦がランチに招いてくれたので、ゆっくり散歩しながら出かけた。先日スーパーで会った時、ジーンズとTシャツだったワイフが″ゲストのために″とサリを来て出迎えてくれた。新米ワイフは20代前半。大学を卒業してすぐに結婚してしまったそうだ。若いというだけで料理の腕を内心疑っていたが、とても美味しいベジタリアン料理を並べてくれた。米粉のバン(あんまんの皮みたいな)にチャツネという豆とトマトのペーストのようなのを付けて、それを更にサンバルというさらりとしたスープカレーのようなのに浸して食べる。チャツネとサンバルをどうして混ぜないのかと聞いたら、混ぜずにサーブしたほうが色んな味を楽しめるし、口の中でミックスされるのがより美味しいのだそうだ。焼きたてのドーサやジャガイモのサブジなど次々と出てくる。どれもスパイスが効いていて食欲を促がす味だった。食後のデザートにとわたしが焼いていった生地にヨーグルトを混ぜた爽やかな酸味のリンゴのケーキをとても喜んでくれた。リンゴは灼熱の南部ではよく育たず、カシミール地方などから輸送されてマーケットに並ぶ。だから、価格が張って高嶺の花なのだそうだ。最初はひたすら奥ゆかしい雰囲気のワイフだったが、若い彼女にはあらゆることが新しくて楽しいようで、こちらが聞けば、日本語の勉強やら、新婚旅行先のスイスで食べたチーズの美味しかったことなど目をきらきらさせて話してくれる。インド人の同僚達はいつかはインドへ戻ろうと考えている人ばかりだが、彼女は日本が大好きで、ここに根を張って暮らしていきたいという。
さて、そろそろ行きますか、と帰り支度にかかると、バスルームに連れていかれ、石鹸で手を洗わされた。わたしはスプーンを使って食事したから別に手汚れてないんだけどな。。。まぁ、いっか。
ランチもたらふく食べたというのに、歩いて帰ってきたらすぐにまたおなかがすいてしまった。夕飯は栗おこわ。1時間もかけて栗を剥いて炊くだけある。″小布施の名店風″というレシピは栗・もち米・塩・砂糖と材料4つだけだというのに、なんと美味しいことだろう。予め栗をほんのり甘く煮て、取り出しておいて、その煮汁でもち米を炊き、後で混ぜ合わせるのが美味しさの秘訣だろう。もち米の炊き時間に合わせて炊きすぎた栗が煮崩れしてしまうこともなく、歯ごたえも残って見た目もいい。
食べてるそばから明日は何を食べようか、なんて考えてしまうある平穏な初秋の一日だった。