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ブラチスラヴァからプラハまでは電車で約4時間。やや荒涼とした景色の中をひたすら走る。たまに、窓から見えるひまわり畑に心がときめく以外は特に変わり映えがない。電車は8人くらいずつで座れる個室になっていて席は自由席だ。この間は年頃もわたしと同じであろう身長2mはありそうな巨大なスウェーデン紳士二人と個室をシェアした。二人はトラベルメイトであちこちと周遊しているという。日本から来たというと、″日本は確か2年前だったよな″″そうだ、そうだ″とそんな調子だった。
この紳士達は、電車がプラハに到着すると、ひょいっと自分のラゲッジを頭上の棚から取り出して、電車の外に置いてから、また戻ってきて、わたしのラゲッジも出してくれた。日頃東京の電車の中で妊婦やお年寄りを押しのけて我先に!と席を確保するような余裕のない男達を見ているのだ、彼らを見るわたしの目がうっとりしてしまうのも仕方ない。
さてプラハ中央駅に着いたらまずツーリストインフォメーションに駆け込み、地下鉄マップとシティマップを手に入れる。かつて″チェコ・スロヴァキア″だったからって、″プラハとブラチスラヴァ″が″東京と大阪″のようなものだろうと思っていると驚く。プラハは圧倒的に大きくて、発達していて、プラハが東京だとしたら、ブラチスラヴァは那覇のような感じだ。
さっそくメトロに乗ってホテルに向かう。メトロは″赤・青・黄色″の3本しかなくてとてもシンプル。ニュースで見たのだが、″出会い専用車両″というのが存在するらしい。乗ってみたいけど、こういうのって欧米の傾向からして、ゲイとお年寄りのたまり場になってそうなイメージが・・・。どうなのかしら、実際!?
プラットホームの壁面はこんなメタリックなのもある。パリでもそうだったが、駅によってプラットホームの壁のデザインが違うのはすごくいい。電車がそのホームに入って窓からその壁を見て駅が判るって便利だもの。それに何より見ていて楽しい。
さて、メトロに乗って周囲を観察する。犬も普通に乗っている。犬アレルギーの人はいないのか、またはそれだけ犬が人権ならぬ犬権を得ているのか。そして女性の服装が今まで回ってきたところに比べたら明らかに女性らしくて可愛らしい。ドイツやオーストリアの女性はその人自身は綺麗だが、服装がフェミニンではなく、何よりも立ち振る舞いがガサツであった。男達も公共の場で女がいかにも″女″と振る舞うことを望まないのだろうが、可愛くてセクシーな女の子を見て、お手本にして洋服を買うのが好きなわたしとしては、そういう楽しみを得られなかった。
さてリバーサイドのホテルに荷物を降ろしたら、予約してあったマリオネット劇の時間が迫っていたので、地下鉄に飛び乗り、カレル橋付近のセンター街へ向かった。道が迷路のようでなかなか目的地に辿り着けない。付近のお店の人などに聞くも、人相の悪い店員が多くて、不穏な空気を感じる(後で知ったのだが、この辺りの土産屋はロシアンマフィアに仕切られているということだ、もっとも店員はマフィアというよりチンピラ風だ。もちろんまともなお店もあるので、そういう事実は非常に不利だ)。
やっとのことで小さな劇場に辿り着いた。子供と大人が半々くらいだった。大人も普通にマリオネット劇を楽しむなんて、可愛いお国柄だと思ったが、きっとそれは過去のことで、今は観光客しか来ないのかもしれない。
題目は″Don Giovanni"。正直、マリオネットが可愛いというだけで、30分もすると飽きてきた。楽しんでいる人も沢山いたので、人それぞれだろう。
マリオネット劇の鑑賞を終えて外に出るともう22:00。それでも旧市街の広場の周りは依然賑わっている。
観光客も地元の人もこんな風に夜遅くまでカフェで冷たいドリンクや、タバコ、水タバコ、ビールを楽しんでいる。不思議と道でよれよれしている酔っ払いなどは見ない。
迷路の路地を適当に歩いてヴルタヴァ川(ボヘミアの川よモルダウよ〜♪のモルダウ川のこと)のほとりに出た。夏の夜の川風が心地良い。川の向こうにライトアップされ聳え立つプラハ城の壮大なことよ。ただただこの景観に圧倒される。
カレル橋を渡る。これはカレル橋のプラハ城側の門。
夜の23:00。プラハの長い夜は静まらない。ホテルに戻る途中で、掃除のプロが巨大な掃除機を石畳の道にかけているのを見た。こんな歴史のある古い建物の多い町を汚くしていると、たちまち気持ちの悪い印象を与える町となるだろ。プラハの町は古い歴史を丁寧に大事に保存している、そんな印象を持った。