My life as a cat
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2013年01月04日(金) 赤い糸より確かなもの

正月のマーケットの鮮魚コーナーは赤くした蛸ばっかりで、クロエちゃんのエビを久々に手に入れることができた。身は白菜と茹でて、クロエちゃんのごはんに、殻で出汁を取った味噌汁はネギをたっぷり入れてわたしのごはんとなる。温っまる〜。わたしの味噌汁の出汁はいつもクロエちゃんのあまりもんだ。

いつも美容院で眺める雑誌に、田辺聖子さんの"まいにち ごきげんさん"というコラムが連載されている。髪を切りに行くと楽しみに読んでいるのだが、"赤い糸より確かなもの"というタイトルで書かれた今月号の話はとても素敵だった。田辺さんがおっちゃん(旦那さん)に会った時の話。おっちゃんは男やもめで4人の子供がいて、田辺さんは独身で小説家を目指していた。4人の子供付きの男と家事を放って売れるか解らない小説を書き続けるのだろう女。条件の悪い者同士だ。しかし、おっちゃんの亡き妻も小説家になるのが夢だった。子育てが一段落したら小説を書こうと思っていた。そしてさて、これから書こうという時に亡くなってしまった。だからおっちゃんは、なにか田辺さんに運命を感じたのだろう。家事はそこそこにして小説を書いててもいいよ、と言ってくれた。田辺さんもその時代にそんな男性は他にいなかったから、この人は神さんだ、と思ったのだそうだ。そしてちょうどその頃、田辺さんの弟もお見合いをするもことごとくふられ続けていた。なぜなら、長男で結婚すれば母親と小説家を目指して実家で暮らす姉が付いてくるからだ。しかし、その中でもひとりだけ、それでもいいと言ってくれた女性がいた。田辺さんの結婚式には弟とその女性が婚約者として出席してくれたという話。
- 結婚の条件なんて、だからあてにならない。人は「なんでそんなに大変な人と?」と言うかもしれない。でも自分にとっては神さんみたいに素敵な人。一生懸命生きていれば、そういう人と出会えた時にちゃんとわかると思う。(本文より) -
条件なんて一時のもので長い人生の中でそれは変わっていく。だから世間一般的な好条件の結婚にありついたからといって、うまくいく保障などどこにもない。田辺さんのように自分の欲しいものが明確で、自分の選んだ道をまっすぐ信じていける自信のある人こそが結婚で幸せを手に入れることができる人なのでしょうね。


Michelina |MAIL