My life as a cat
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2012年11月28日(水) Moulin Rouge

ホテルからMoulin Rougeは目と鼻の先。てくてくと歩いて行き、タキシードで入り口に立つエスコート役のムッシューにショーが観たいと申し出た。予約用の電話番号を渡されたので、
「フランス語が出来なくて電話が恐いからここまで来たのにぃ」
とごねてみたら
「日本人? 日本に行ったことある。日本大好き。オーケイ、フォロミー」
とレセプションへ行き、"彼女ひとりくらいなんとかなるでしょ〜"と頼んでくれた。予約番号と時間を渡された。これで予約完了。やった〜!

でもMoulin Rougeでショーを観るなんて予定に入れてなかったから、おめかし用のドレスもない。仕方なくダッフルコートにブーツでショルダーバッグをさげて出かけた。ショーの30分前。Moulin Rougeの入り口は競い合うようにめかしこんだマダムと彼女達をエスコートするムッシュー、そしてわたしのような用意の悪い観光客の3種類がいて、賑わっていた。予約番号を見せると、ホストクラブかってくらいわんさかいるエスコート役のうちのひとりが席まで案内して、着席するなりシャンパンを注いでくれた。4人がけのテーブルにワシントンからきたアメリカンガールとスコットランドからきた若いカップルと相席した。全員ツーリストだが、わたし以外はみんなドレスアップしていた。

ショーが始まる。マネキン工場で生産されたのではないかというくらい、見事に胸の形も大きさも同じスレンダーな踊り子達が妖艶に舞う。ショーは2時間だが、踊りばかりではない。途中にコント(これは基本的にトーキーのように身振り・手振りで、たまのセリフは英語でやってくれる)やサーカスのようなパフォーマンスも挟まれていて最後まで飽きない。会場は最後まで大盛況だった。

巧みにあらゆる角度から撮影され編集された映画の映像のほうが、ずっと同じ角度から眺めているのに比べてぐんと引き込まれるものがある、というのはいたしかたないが、それでもこれはこれで、"ドレスアップしてショーを観に出かける"という愉しみもプラスされているわけだ。

ハイ・テンションでホテルへ戻ると、夜も遅く、まったりと薄暗くなったレセプションに遅番のお兄さんがひっそりと佇んでいた。後から思えば、お兄さんはこんな話は聞き飽きてるに違いないが、ハイなわたしはショーのことを話して聞かせた。そしてお兄さんが頂き物だが自分は酒を飲まないから、と言って持たせてくれたシャンパンを抱きかかえて、そのまま朝まで寝ていたのである。


Michelina |MAIL