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久々のぐずついた天気。近所のカフェで先日もらったコーヒーの無料券を握り締めて再訪した。なにせここのコーヒーは香り高くて本当に美味しい。今時まずいコーヒーを出すカフェも滅多にないが、かといってこんな美味しいコーヒーを出すカフェもそう滅多にない。使い込まれているが、清潔なWedgwoodのカップで出してくれるところに客への気遣いを感じる。こういうところが平然と紙コップでコーヒーを出す大型チェーンのカフェにはない良さだ。カップが美しいことが20%くらいコーヒーの味をアップさせているだろう。
こんな日は読書に尽きる。小倉千加子の「結婚の条件」のあまりにもの面白さに一揆に読み尽くしてしまった。これは結婚したい人のHow to本ではない。フェミニストで大学で心理学を教えている著者が結婚という制度について滅多切りにする。どの章もラッパーかい?落語家かい?とつっこみたくなるようなうまく韻を踏んでいたりする痛快な喋り口だったが一番インパクトの強かったのは、
女性の最終学歴は父親の学歴で決まる。またその最終学歴によって結婚に対する意識は、高卒は「生存」(あまり良い職につけず食いっぱぐれるから)、短大卒は「依存」(たいていはOLになりそれで貯めたお金で留学などして専業主婦になる)、四大卒は「保存」(相手の収入などあてにせず結婚後も自分が専門職でばりばりとやり続けるのを尊重してくれるということが前提)、と変化していく
というところ。
更に
結婚とは「カネ」と「カオ」の交換であり、女性は自分のカオを棚にあげてカネを求め、男性は自分のカネを棚にあげてカオを求めている
とか、もう腹の底から不気味な笑いがこみあげてきた。笑って唸って、飽きないが、未婚でも既婚でもあらゆる女性にとって手厳しい現実をつきつけられる内容だ。結婚のポジティブな面というのは話題性に乏しい。しかし、小倉千加子先生が"幸せな結婚"をしていて、この本を書いたなら、視点は少し違っていたのではないかと想像してしまう。