My life as a cat
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2012年07月20日(金) My big day

Happy birthday to me.

毎年自分の誕生日はいつもどおりの日課をやり過ごしていても、少しだけ特別な気持ちになって、人生を思ったりするものだ。

先日から読んでいる宇野千代さんの自叙伝「生きて行く私」は彼女の30代後半から40代前回くらいまでに来ていて、話題は"疎開"、"闇市"など戦争に突入していた。それはこれまでどおりの宇野千代節でひもじさのにじみ出たようなものではないにしろ、戦争を潜り抜けるにはその"思い込んだら真っ直ぐ"な性格が危険を喚起したりしていた。一年はもつであろう大きな缶入りのごま油を手に入れたことを喜ぶあまり、それを背中に背負って、屋根のない荷台のような汽車に乗って移動している途中、操縦士の顔が見えるほど低空飛行の敵機が上空を飛んでいたという話など開いた口がふさがらない。しかし、しみじみと思う。あぁ、この人はなんて人生に夢中なのだろう。夢中で人生を歩けば、その道中どんなことがあろうと、それを後からしみじみと振り返る時美しい人生だったと思えるのではないか。ふと連日報道されている自殺した中学生を思う。まだ自分の人生を振りかえるほどの余裕がないから、今が辛ければ、また未来も想像がつかず絶望して死を選んでしまうのか。わたしは荒野に懸命に水を蒔きながら歩いて、いつかふと振り返ったら来た道一面に花が咲いていたというような人生を送りたい。でも、それもこれも夢中で生き抜いてこそ味わえるものなのだ。

さて、いつかひとめぼれ君から、彼が過去に女の子の誕生日を忘れて二度と口をきいてもらえなかったという話を聞いた。しかも一人じゃなくて数人。それくらい彼にとって誕生日は重要ではなく覚えるのが苦手なのだと。わたしはひとつ大きな溜息をつき教えてあげた。

「あなたが"誕生日"を重要じゃないと思うのは勝手だよ。でも彼女が重要だと思っているものを気に留めてあげないというのはすなわち彼女自身を重要だと思っていない証のようになってしまうんだよ」

と。それでも納得のいかない顔をしていたが、今日、しかも朝一番、思いがけずメールが入った。

"So today is your big day!"

だって。頑張ったね。

「よくできました」

と褒めてあげた。


Michelina |MAIL