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2011年12月10日(土) |
Fried Green Tomatoes |
久々にこれといった予定のない週末。外は見事な快晴。しゃかしゃかと洗濯して掃除を済ませたら、冷蔵庫の中の適当な野菜でランチにして、午後からはゆったり植物の手入れをして、先日同僚がインドに帰国した際にお土産に買ってきてくれたアッサム・ティーを淹れて、やっと読書の時間にありついた。寒くなってから、どっしり腰をおろすと、すかさずクロエちゃんが膝に乗ってくる。家の中ではいつでも寄り添って、温めあって、こんな時間はたまらなく愛おしい。
夜は自分の好きなものをしゃかしゃかと作ってテーブルに並べたら、だらだらのろのろと食べながら映画鑑賞。約20年前に作られた"Fried Green Tomatoes"というアメリカ映画を観た。主人公のエブリンを演じるキャシーベイツがまたあまりにもはまり役。バッグに常にチョコレートバーを忍ばせていて、常に食べてる。それでも家に帰ってくるなり妻の顔も見ず、テレビのスポーツに釘付けの夫の気持ちを取り戻そうと健気に女磨きのためのセミナーに通っている。痩せられないことが弱点でも気持ちの可愛い妻なのだ。そんなエブリンがある日お見舞いに訪れた病院で、偶然ニニーという老女と知り合い、彼女がはじめた過去のストーリーにのめりこんでいく。ここがいかにも古いアメリカ映画らしく、知り合い方も、ニニーのストーリーの始め方もあまりにも強引で不自然だった。ニニーのストーリーの舞台はその病院のある南部アラバマ。男といえば、大酒飲みで気性が荒く乱暴者か、または全く逆の完璧な紳士か、どのみち"女は弱いもの"という概念が根強い。また人種差別も露骨で、黒人は訴えられたらそれだけで吊るされると決まっているらしい。エブリンはそんな環境に身を置きながら強く生き抜いたイジーとルースという二人の女性の生き方に感化され、日に日に女としての自立と自尊心を取り戻すようになるというストーリー。大まかなあらすじも面白かったが、細部にもなかなかその時代の風俗が表現されていて面白かった。例えばダイエットに精をだしはじめたエブリンが、今までのフライドチキンとトウモロコシという夕飯だったところを急に巻き寿司に変えていたりするところ。今までフライドチキンの焼き具合がいいだのなんだの言って貪っていた夫は、クンクンと巻き寿司の匂いを嗅ぎ、それを殴り捨てて、
「俺を殺す気か!」
などと怒るのだ。20年前のアメリカのど田舎で巻き寿司なんて犬も食わないような野蛮な食べ物だったに違いない。それとエブリンがクリスピークリームを1ダース持って病院に行くシーンがあった。わたしなんかは銀座や新宿の行列を見てはじめてクリスピークリームなんてのを知ったくらいだから、すごく斬新な食べ物みたいに思っていたけど、ネットで見てみたらけっこう歴史のあるドーナッツ屋さんで、南部から広がっているのだね。ちなみに新宿・銀座ではいつも並んでるけど、恵比寿ではあっさり買えるから一度食べてみたら、なかなか美味しかった。並ぶほどではないと思うけど。