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2011年06月11日(土) |
El Buono Pizza |
昨夜、頑張って仕事を区切りのいいところまで片付けた甲斐あって、すっきりと迎えた週末は朝から暴風雨。家に篭るしか選択肢のないこの天気も悪くない。パバロッティをプレイして、ムショウにピッツァの生地でも練って、人差し指に乗せて宙でぐるぐる回したりしてみたい衝動に駆られながら大掃除をした。この時期は水周りの掃除をこまめにしないとすぐに汚れる。テレビで見た占い師によると、水周りを汚くしていると恋愛運を逃すのだそうだ。そんなの占いじゃなくて、全うな社会人として全うな美学があるかどうかの問題だろうとつっこみたかったけれど、言ってることは間違いないだろう。水周りを不潔にして"良い恋愛してます"なんて想像できない。
雨もすっかりあがった夕方、ダミアンと美味しいピッツァを食べられると評判のレストランに行ってみようと、電車に乗って品川まで出た。JRは節電などという言葉はもう忘れたのか、冷房がガンガンにきいた車内で凍りついた。品川駅の品川プリンスに滞在するような外国人観光客に、日本の豊かな電力と豊富な電子機器を見せ付けるかのように無駄に同じ画像を映し出している多数のモニターは、彼らがぱったり姿を消した今では無用の長物にように見えた。そして、皮肉にもそのモニターに映し出されていたのは原発関係者らが生活を奪われた町の人々に謝罪している姿であった。
ピッツァは両隣の席の客が"モチモチしてて美味しい"と表現していたとおりの食感だった。窯焼きは自宅で出来ないから本当に香ばしくていいけれど、わたしはもっと歯ごたえがあってクリスピーな生地のが好きなのだ。本場イタリアのは知らないが(ダミアンに言わせると、わたしが欲しているものの表現のほうが本場のに近いという)、日本ではまだ自分好みのピッツァに出会えていない。パースにあったピッツァの世界チャンピョンとかうたっていたシシリアン親父の作るピッツァはわたしの中のベストだ。生地はおそらくセモリナ粉から作っていて、そして周りに上新粉ではなく黄色いコーン粉をまぶしてから焼いている。何がコツなのか分からないがわたしはこのコーン粉ではないかと踏んでいる。今日のレストランは空豆とフレッシュトマトのパスタがとても美味しかったのでまぁいっかというところだが、やっぱりわたしもダミアンもまたピッツァにはがっかりだった。そして、"本格イタリアン・レストラン"で本場の人がやらないスプーンの上でパスタをくるくるしたりするのは誰もやってなくてちょっと憚られるのだけれど、そのほうがソースがよく絡むので許して欲しいな。