My life as a cat
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2008年04月05日(土) All or Nothing

邦題、「人生は時々晴れ」というイギリス映画を観た。ロンドン郊外、レイバークラスの人々が寄り添う集合住宅に暮らすある家族のドラマ。色褪せた日常をただやり過ごす大人たちとSwear wordを吐くことでしか自己表現できない子供達、これが淡々と中盤まで続くのはうんざりだった。欧米では貧しさの象徴のような魚や緑黄色野菜のないジャンクな食卓と肥満、歯並びの悪さ、こんなのはパースでいくらでも見られる。しかし後半、息子が心臓欠陥で倒れたのをきっかけに眠っていた家族の感情が目を覚まし始める。しがないタクシードライバーで頭も見た目も冴えないつまらない中年男と思っていたお父さんのフィルが妻に向かって、
「僕は君の愛と尊厳を失った。君は僕をカス扱いしている。」
とおんおん泣く。欧米人だな。わたしは大の男が愛だの恋だのに一喜一憂して生きることが本当に愛しいと思う。だから離婚率が高いのだろうけど。
この一件でお互いの心の内を見せ合った夫婦に少し笑顔が戻り、食べることに精一杯だったお母さん(妻)が口紅をひいた。家族が病室に集まり、入院中の息子が魚と野菜を食べたと言って笑う。娘だけがまだ心を開けないまま映画は終わったけれど、ささやかな希望が差し込んだことにほっとした。


Michelina |MAIL