DiaryINDEX|
past|
will
ぶらりと銀座へ。冬のセーターが一枚欲しいといいつつもたついていたらもう春の風が吹き始めてしまった。コンクリートの谷間で賢く品良く生きることを強いられているような気にさせられる銀座・丸の内族の洋服は、暴れん坊のわたしには血行が悪くなりそうな窮屈なものなので滅多に買わないが、先日珍しくRoxyを少しだけ都会的にしたようなショップを見つけたのでじっくり物色。レーヨンで編んだブラを購入した。今度これに合わせるシースルーのシャツを買おう。それで行きたいのはやっぱりコテスロービーチかな。
美味しいランチを食べて、アートギャラリーを観て、OAZOで本を物色。久々に新しい本を買った。
「新しい本なんて贅沢ですよ。」
とは社会人になったばかりの頃の上司の言葉。頭が良かったけれど、地味でお人好しな人だったから、わたし達の部署が廃部になったら、そのまま本人の懸念どおり"窓際族"となってしまった。自分の世界に篭って寡黙に知識を磨いていたけれど、ノックすれば快くドアを開けてくれた。わたしは素直に彼を尊敬していたので、この言葉に彼の書物に対する敬意を読み取ると、組織の底辺の自分が新しい本を簡単に買うことがおこがましいことのように思えてきたのだ。部屋も小さいし、引越しも大変だし、という要因も重なり、図書館の常連で、いつか読み返したい本は古本屋から得る。人がつけた油染みなどが嫌で、料理本だけは新品だ。
帰りの電車で真新しい本を開き、にんまりした。「偶の贅沢」はわたしのような小動物をこの上なく悦ばせるらしい。