My life as a cat DiaryINDEX|past|will
ナチュレルの心情に過去の自分の哀しみを重ねてはじんじんと深く感じた映画だった。当たり前のように友達がいて、家族がいて、恋愛もしていた平凡なモンティを束の間支配した邪念によって、愛する人々の幸福、平穏な未来も全てを奪われ、地獄に落ちようとしている。収監されるまでの24時間のカウントダウンには散りばめられた様々なせつない感情がどんより重く立ち込めている。あらゆる映画やドラマで描かれる生粋のアメリカ人というのは、生まれ育った町と幼馴染を離れられないようだが、モンティは正にそれであるのが絶望の大きさを物語っている。経済や人種の格差の大きいニューヨークで、何らかのコンプレックスを抱えて生きる平凡な誰しもにとって、ただの紙一重の向こう側は底知れない後悔と絶望ばかりだ。しかしそれでも人間の強い生命力は、最後に砂漠の向こうの小さな町に、あるいはただ瞼の裏側に、儚い光を見せてくれるのだ。
Michelina
|MAIL
|