My life as a cat
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2007年08月03日(金) "削減"という発展

東京周辺で暮らしていると"もしかしたらわたしは今日死んでしまうかもしれない"と思うことが多い。悲観的になっているわけじゃない。ただ、地震にも台風にも見舞われるこんなか弱い土地に色んな物を積み上げすぎてしまったのではないか。日本へ来る外国人は決まって「新幹線に乗った。トイレが全自動でスゴい。秋葉原ではビル全部が電化製品売り場だった。」と口を揃える。科学や技術の発展への批判ではなく、ただ一般家庭の生活レベルでゴミが多いのではないかと思う。いつか自分達が無我夢中に産み出してきた"物"の下敷きになって死んでしまうのではないかと漠然とそんな気がする。

毎年この時期になると放映される戦争を描いたテレビドラマは、見なくたって展開が読めるけど、やっぱり泣ける。簡単に物を捨てるわたし達の先祖がお腹を空かせて焼け野原を彷徨っているなんて。歴史はもう変えることができないから明るい未来を築くしかない。

21世紀に入ってからいよいよ日本では"削減"という言葉が頻出し始めた。今の日本では削減こそが発展だと思う。"残業削減"なんて一番好きな言葉だ。戦後の貧困を立て直した祖父の世代や高度経済成長期を"いけいけどんどん"と進んだ父の世代が"カロウシ(過労死)"という日本語を世界に知らしめてまで築いてくれた富を無駄にせず、簡素に心身健康に生きて、青い空やクリーンな空気を取り戻すよう努めるのがわたしの世代の使命ではないか。


Michelina |MAIL