寿司屋を営む叔父から緊急に頼まれてのお手伝い。「運ぶだけ」と言われた通りそれだけの仕事。朝から一日中会席弁当を抱えて左右上下、指図されるがままにひたすら運んだ。この仕事健康的。特別重いものを運ぶわけではないから体が万遍なく疲れる。そして精神的に脅かされるようなこともない。叔父と叔母は体力なしと思っていたのにわたしが案外いい動きをすると笑っていた。慣れない仕事に体はぐったりするも、達成感に包まれて帰宅し、ポストにマーヴからの手紙を見つけた。わたしから手紙がくるのとお兄ちゃんが会いにくることだけを楽しみに退屈極まりない拘置所生活をやり過ごしているようだ。一度目の手紙より大分元気になって日本に行くんだ!などと書かれていた。わたし達は強い治癒力を授かっていてよかった。