My life as a cat
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2005年08月26日(金) スカウト

朝の通勤電車に乗る疲れ顔の「働き者」達の頭上に下がる中吊り広告に「30歳から半リタイア生活」の文字。リクルートが出している「スカウト」というマガジンの広告らしい。広告会社の戦略に意図も簡単に乗せられてしまったわたしはそのマガジンを購入し、ランチタイムにいつものイタリアンレストランの隅の半個室の席で夏野菜のリゾットを口に運びながらこっそりと広げ、恐ろしいくらいの集中力で読む。

結果。日本人の「半リタイア生活」ってオーストラリア人の「レギュラー労働生活」とさほど変わらない。

わたしの職場の人々は働き者だ。営業の男性陣は契約に応じて給料も違ってくるから少なくとも目標に向かって働いている。しかし一日中コピー機にはりついている女性までもが夜の9時、10時まで働いているようだ。しかももう何年も何年も長い間そうして働いているという。一度彼女達に飽きないのかと聞いてみたけれど答えは、「そうだね、たまに飽きるよ」と言うだけで嫌そうではなかったので、世の中には1日の半分をコピー取りに費やす人生を拒まない人種もいるのだと半分納得し、けれど半分腑に落ちない感じがした。

定時にあがってしまうわたしでさえ平日にはもう自分の時間がないと感じる。ゆっくりと考える時間が充分ではなくてそのままどんどん時が過ぎていく気がする。

この会社の人々は文句の無い給料をもらっているからこの仕事をしたくないけれどなかなか辞められないという人もちらほらといるようだ。確かに1人身でなければお金と安定は見方につけておいたほうがいい。けれど、やっぱり自分の好きなことをして年をとっていきたい。


Michelina |MAIL