My life as a cat
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2005年07月25日(月) お待たせしました

最近仕事で地方の小さな会社に電話をかけることが多い。大抵は4コールから6コール待って「はい**です」とあちらが電話にでる。わたしの中の常識ではこれは至って普通だが、わたしが働いている「立派な上場企業」ではこれは許されない。電話は2コール目までに「お電話ありがとうございます。**、**事業部の**でございます。」ととること。万が一それよりも待たせてしまったら、お待たせしましたと詫びること、、、などなど。電話の取り方もきっちりと研修を受けている彼らはしっかりとマニュアル通りの応対をする。

が、わたしは「お待たせしました」と自分の口から発する度にこの忙しい社会に疲れてしまう。受話器を持ったまま3秒長めに待ってしまうことが長い人生の中で彼らに何かダメージを与えるのだろうか。そう思ってしまうからわたしの「お待たせしました」には何の感情もこもっていない。

日本社会ではことあるごとにこれを言われる。朝の電車はたった1分遅れで到着したことを何度も詫び、「お客様に大変ご迷惑をおかけしました」と言う。そんなに急いでどこへ行くんだろう。予定がぴったり予定通りに進まなければ瞬発的に「まずい!」と思わせられてしまうこの社会。物事が予定通りに進んでいる時の爽快さと引き換えにそれが狂った時、人々は必要以上に動揺してしまう。だから先日の地震で電車がストップしてしまった時、駅員に詰め寄る人々の剣幕は凄まじかった。福知山線の電車脱線事故はこんな世の中に待ったをかけたように思えたが、それでも日本人の急ぎ足は止まらない。


Michelina |MAIL