相容れない感情が、ゆらゆらと、胸の奥で濁っていく。 言葉に出来ないたくさんのことが、あたしを追い立てていく。 ねぇ、離婚届けはどうなったの? あたしはいつまで独りでいるの? 二人で暮らせるのが幸せだと思うの? 幸せに、なれるの? こんなにも相性の悪い、あたしと華は。 いつもいつも、喧嘩をする。 ささいなことで、いがみ合う。 もう、好きなのか、嫌いなのか。 愛してるのか、離れたいのかも、分からない。 途方に暮れて、寒い夜に、一人で考える。 あたし、これからどこへ行こう。 愛、とはなんですか。 恋、はどこへいったのですか。 あたし、はどうしてこんなに醜いんですか。 我慢が出来ない、胸を掻き毟りたくて、堪える。 あたし、何がしたいの。 どうしたら自由になれるの。 どうしたら、寂しくなくなるの。 逃げようと、思い始めた、寒さの募るこの頃。 この街は、あたしには寒すぎて耐えられない。 誰でもいいから、温めてくれたらいいのに。 もう、誰でもいいよ。 あたしを、独りに、しないでください。 叫ぶ事も、出来ないままで。 あたしの死に様ってきっと、窒息死なんだと思った。 玄関の赤い靴は、今日も悲しい程、キレイ。
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