またしても、喧嘩をした。クリスマスの真昼。 外は寒くて、手も冷たくて。 それでもあたしに触れる華の手は、いつも熱い。 誘い方がなってない! なんて怒ったのは少し前。 あたしばっかり欲しがるのが不公平だって。 ずっとずっと言い続けてきた。 欲望の出所の違いかな。 昔馴染みに話をしたら、苦笑いを返された。 あたしはよく言う、ビッチの類じゃないかと思う。 誰彼構わずじゃないけれど。 触れるのが好き。触れられるのが好き。 あの快楽が、たまらなく好き。 けれど。 寒さがつのる所為なのか。 それとも、あたしが退化しているのか。 近頃、そんなにしたくない。 だから、華の手を振り解いて、 「その気にさせるまでは、しない」って言い張った。 あたし、何様ですか。 自分で笑ってしまう。 またしてもあたしに振られた華は、 困り切って、怒ったり、泣いたりする。 感情の起伏が激しくなるのに、全く動けない華は、 とてもいたいけな生き物だと思った。 あたしは、それを、ぼんやりと眺めているだけ。 だって、幾ら5年の付き合いだからって。 当たり前のように求めるのなんて、つまらない。 あたしが乗り気じゃないことで、 責められるなんてまっぴらごめん。 それなら、なしでもいいんじゃない? 同性だから、友達みたいになっちゃうけど。 冷たい手が、熱くなる瞬間。 こういうのなら、嫌いじゃないよ。
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