路頭に迷う、って身に降ってくる言葉じゃないと思ってたけど、 ちょっと今のあたし、それが合う。 いざ実家に帰ろうと思っても、 足が竦んで仕方ない。 切り出せばきっと、さまざまなマイナス要素を打ち消して、 あのひとたちは迎えてくれるはず。 それなのに、竦む。 繰り返してきた逃避行。 実家が怖くて、嫌で、仕方がないのは昔のまま。 帰る場所など他にはなくて、 あの場所に帰ると決めた矢先に、こんな戸惑い。 ああ、あたしって情けない。 あの場所は、 あたしにとっての実家というものは、 帰る場所ではないのだと、思う。 さあ、あたし、どこに行こう。 ひとりぼっちになって、 頼るものなど何もなくて、 目指すものも情熱もなくて、 どこへ行こう。 路頭に迷っている。 この場所から離れるのが、 本当の意味でひとりぼっちになるのが、 怖くて怖くて仕方ない。 なんてね。 言ってみたいだけ。 あたしは、そんなに、弱くはないはず。
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