痛みと息苦しさと、混沌としたカラダの内部。 動くのすら面倒で、呼吸さえも億劫で、 紛らわせるために、少し笑ってみて。 でも、もう無理だろうと、思う。 あたしと、あなた。 しんどくて仕方なくて、誤魔化そうとしていたりする。 そんなあたしの表面だけを見て、 心配なんてしてくれなくて。 強がっているだけなんて、思いもしなくて。 転がったままのあたしに、 「帰るよ」だなんて。 「帰ってゲームする」だなんてさ。 そうですか。 好きにすれば? 唐突に思い出しのは、季節のせい? それともあなたのせい? 三年前の、六月。 微熱がずっと続いて、動けなくなってたあたしを、 横目にしながら「大丈夫?」って言ったひと。 キッチンで動けないあたしを、 横目にしながら歩み寄りもせず。 「動けないだけ」と返したところに、 「そう」とだけ言って、日常に戻ったあのひと。 思い出す。 自分の痛みにすら鈍感で、 健康で、 力をみなぎらせていて、 でも寂しがりやなあのひとと、似てるの。 全ては自分を基準に考えていて、 それはあたしだってそうかもしれないけれど、 労わることを知らないわけじゃないもの。 でも、 自分がつらいことをあまり知らないと、 労わること、そのものを知らないでいられるの、だと、 あたしは思い知った。 あの日を、思い出す。 心を労わるのは、難しい。 でも、 目に見えるものを労わるのは、簡単。 確かにあたしも、相当に冷たいひとだから、 あなたは労わられていないと思ったことがあったかもね。 自業自得というのかしら、あたし。 もう無理かも。 もう続かないかも。 こんなフラッシュバックは、痛い。 あたしはもう、諦めそう。 しばらく顔を見たくない、突き放して言って。 あなたは頷いて帰った。 もう、来ないかもしれない。 でもあたしは、 泣き言を吐ける場所がある。 泣き言を聞いてくれるひとが、いる。 なるようになるから心配しすぎちゃだめだ、って。 言ってくれるひとがいる。 あなたはどうしているの。 ひとりで、考えているの? 終わりに、ついて。 かわいそう。
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