おうち鑑賞

2010年06月07日(月) 『プリシラ』 『ラビナス』


『プリシラ』 1994年/豪
The Adventures of Priscilla Queen of the Desert



『L.A.コンフィデンシャル』で初めて知った、エドを演じた

ガイ・ピアースが、どんな演技をするのだろう。

胸がふるえる。ドキドキ。


エドとは見場も雰囲気も180度違うガイ・ピアースに

軽くカルチャーショックを受ける。

3人のオカマのお姉さんたちのロードムービーなわけだけど

それぞれ個性的・・・というか、美術セットとでも言うべき

アートな衣装をまとった姿に圧倒される。

ガイ・ピアースが演じたお姉さんの、その人物の履歴に思いを馳せた時

あんまり想像が広がっていかない感じがした。

つまり演じる型の方が先行して(だけど型はキレイ)

オカマのお姉さんの本質を捕まえきれていないのかなと思った。

ま、テレンス・スタンプとヒューゴ・ウィービングが演じるお姉さんたちに

比べると、バックボーンを想像させる描写が少ないことも関係しているのかもしれない。

なーんて、自制を意識して見ないと

映画なのに芝居の舞台を見るみたいにフォーカスしてしまうのだ。

ポップで元気でお下劣で、そして温かみがあって

一陣の風が人生の色んな思いを詰め込んで吹き去って行った

そんな感覚におちいる。

エンドロールを見ながら自分自身予想外にはらはら涙がこぼれた。

公開当時、話題になっていたのは覚えている。

だから何とはなしに引っかかりはあったんだけど

その時、何とはなしに見なくてよかった。

見るべき時に出会うべき時に見たと思う。









『ラビナス』Ravenous 1999年 アントニア・バード監督


オープニングシーンを見て期待感を抱くも

わりとすぐの段階でダメだコリャと思う。

めっちゃイイ役者なんやから、頼むから出演する作品選んでよ〜と

ガイ・ピアースにつっこみながら見てしまった。

冒頭から少なくとも30分、主要登場人物と思われる

ボイド大尉(ガイ・ピアース)が、物語の中枢部分に関わってくる気配がない。

傍観者のようにただ佇んでいる。台詞もほとんどない。

故にキャラクターがイマイチ立ち上がって見えてこない。

恐怖心や臆病で屈折した心情を抱えた人物なのであれば

ちょっとした描写でキャラクターを伝えるチャンスを作れたのではないか。

何を目的としてどんなゴールに向かっているのか

作品の半ばを過ぎてもなお漠然としていてよくわからなかった。

ラスト30分くらいのところでようやくボイド大尉の能動的行動や

状況を選択する意志が見えて物語の動きを感じるも遅過ぎるわ。

ラストシーンは胸にぐっときた。

この結末を生かすもっと上手い構成は他にあると思う。




ぷんぷんしながら、特典映像のコメンタリーを見る。

(一応見るものは見るのだ。)

10分ほどの未公開映像集に乗せた監督のコメントを聴くと

まるで他人事を語っているみたいだったのでいぶかしく思う。

脚本家×出演俳優によるコメンタリー解説によると

この作品は若い?作家の映画デビュー作品なのだそうだ。

撮影開始から2週間で現場での意見の相違から監督が二度変わり

編集監督、他にも交代があり、チェコだかプラハだかの

元共産圏の環境の整っていないホテルに缶詰になって云々、

そういう状況下で作られた作品だったとのこと。

結果的にアントニア・バード監督に落ち着いたのだそうだ。

(そりゃ他人事みたくなるわな。)

直前になって監督がバタバタ降板するような状況で

統一感や熱のある作品に仕上がる方が不思議ではないか。

ただこのような製作背景を知って、頼むから出演する作品選んでよ〜と

思いながら見ていた時の気持ちが変わる。

(よくわからないけど)ガイ・ピアースはメジャーとか

そういうことには関係ないところで出演をしていたのだと思うと

強く惹かれる理由の一端がわかった気分。



アントニア・バード監督はずっと前から気になっていた

『司祭』の監督だったのだ。(ネットショップで)ヒットしないんだけど

いつかこの作品を見たい。








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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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