| 2010年03月06日(土) |
『青春の夢いまいづこ』 『非常線の女』 |
『青春の夢いまいづこ』1932年
『非常線の女』1933年 小津安二郎監督作品 を見る。
『青春の夢いまいづこ』
大人への階段を昇る途中の無邪気な若者たちのコミカルな風景から
社会に出てからのしがらみで友情関係が微妙に揺らいでいく
登場人人物達の心情の変化が、クレッシェンドしていくみたいに自然に表現されていた。
大仰な仕掛けによってではなく、その関係性の中で表現される
登場人物の心情に胸が締め付けられる。
またまた超僭越ながら上手いなあと思う。
哲夫と一郎が、引越し荷物の片づけ中のベーカリーの娘(田中絹代)の部屋で
バッタリ居合わせた時、哲夫は嫉妬心を抱いたのかと思った。
しかし、友情について思いを馳せているのを見て
小気味のよいズラシというか、小気味のよい裏切りを感じて面白かった。
社長学を学んでいくであろう哲夫のキャラクターを想像させる。
若者姿でバリバリ動く笠智衆を見るのは新鮮だった。
ラストは一応ハッピーエンドの形を取っているけれど
若者達の今後を様々な方向に想像させる。
余韻を残したラストに、ほろ苦い思いになる。
『非常線の女』
小津安二郎監督作品にしては、心情の機微を感じさせてくれるというより、
物語を追うことが先行している作品のように思えた。
だからあまり気分は乗り切れないまま見た感じ。
設定に不自然さを感じるような。
田中絹代のアバズレ女子の配役は
意外性を狙ったものだろうが、はまり役になっていないと思う。
ジェームス槇は小津安二郎のペンネームなのだそうだ。
途中睡魔に襲われまくりで見たせいもあるかもしれないと思う。
時間を置いて再見する。
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