| 2009年04月16日(木) |
『丹下左膳餘話 百萬両の壷』 |
『丹下左膳餘話 百萬両の壷』 山中貞雄監督 1935年 を見る。
すごく面白い。
映像は『人情紙風船』方が力強く美しいと思ったけど
それでどちらの作品が良いとかの問題じゃなかった。
『人情紙風船』の紙風船にしろ
『丹下左膳餘話 百萬両の壷』の茶壷にしろ
物語の中の道具の在り方、使い方が
めちゃめちゃ好きだしホントに粋だと思う。
道具ありきじゃないのだ。道具が目的になってない。
一見すると『人情紙風船』の紙風船は
さりげなく扱われているかのようだが、物語の象徴として心に残る。
『丹下左膳餘話 百萬両の壷』の茶壷は、
一見重要な役割を担っているように見せて(ある意味そうだが)
これほどまでに人間を描くための道具だったとは。
想像以上の裏切りに甘く酔っている。
藩主の弟が丹下左膳に「この壷しばらく預かっといてね」と
遊びの手ついでのように言うラストシーンの台詞。
さらりとあしらわれた茶壷。
茶壷の落とし処はそこですか! にくい! と思う。
山中貞雄監督作品と初期の黒澤明監督作品が
どうしてもオーバーラップしてしまうのだが
(黒澤明監督と比較できる作品はないと思っていたが)
山中貞雄監督作品の映像の美しさや映像の運び?の才気は
この時代群を抜いていたのではないか?
これ以上の感覚が存在するか?
という気持ちにさえなっているのだけど。
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