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■ 待合室
緑があふれる静かな街。 幸せそうな人たちが、穏やかな笑顔で過ごす街。
その街の一角に、病院がある。
一目では決してわからない。 明るい街並の奥の奥に、ひっそりと佇んでいる。
一歩足を踏み入れると、そこはもう、別世界。
憂いあふれる人たちが、救いを求めて集う場所。
そこでは、どこかで感じた懐かしさに襲われる。 そう、いつも感じている憂欝、不安、孤独。 そこには、そういった類の重い空気が流れて、 どこにも吹き抜けずに、淀んでいる。
待合室には、心を失った人たちが、 所狭しとひしめき合っている。
お互いは皆無関心で、会話を交わすことはない。 うつむきながら、遠くをみつめながら、 ひたすらに無言で、自分の番が来るのを、待ち続ける。 救いを求めて、待ち続ける。
ドアの向こうに、救いがあると信じて、待ち続ける。
2006年03月15日(水)
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