fleur bleue
sora



 虚ろな時間

足取りは重く、
前を向いて歩くことができませんでした。

ずっと下を向いたまま、
暗く長い地下道をゆっくりと歩いていました。

やがて立ち止まり、
一点をみつめたまま、
身動きがとれなくなっていました。

声が遠くに聞こえていました。
喧騒の中で、
しだいに私の意識は遠退いていきました。

気がつけば、
辺りには誰もいなくなっていました。
暗闇の中で、ひとり佇んでいました。

何も見えない。
何も聞こえない。
何も感じない。

限りなく、虚ろな空間。
限りなく、虚ろな時間。

2005年11月19日(土)
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