月に舞う桜
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女性差別の深刻さを指摘するために、「『障害者手帳を持っている人が割引などの優遇を受けるのはおかしい』とはならないのに、なぜ男の女の話になると云々」と言っている人がいた。
それこそ、あなたが健常者だから知らないだけだ。
“善良な” 男性が、女性差別の数々を知らない、見えてない、見ないふりをしているのと同じ。「障害者手帳を持っている人が割引などの優遇を受けるのはおかしい」と言う人の存在を自分が知らないからって、ないことにしてるだけ。
属性Aに対する差別のひどさと根深さを指摘するために、被差別属性Bへの差別が比較的軽いかのような話を持ち出すのはやめた方がいい。
女性差別は最大で最後まで残る差別だと言う人もいるけど、男女は約半々で、被差別者が多いから、他の差別に比べて大きく見えるという面もあると思う。 医大が女子受験生の点数を一律に減点するのも、高校を何度受けても定員内不合格になって進学できなかった重度障害者がいるのも、どちらも同様にひどい差別だけれど、前者に比べて後者は大きなニュースとして扱われないでしょう?
誰に対する差別も、同等にひどいし、同等に根深い。そこに大小の差はない。一つの差別を可視化するために、別の差別をないことにするな。
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