月に舞う桜

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2020年01月14日(火) けりというか、区切りというか、そんなようなもの

以前は、部屋にX JAPANのポスターを2枚と、YOSHIKIのポスター1枚を貼っていた。
1年くらい前、X JAPANのポスター1枚とYOSHIKIのポスターを剥がした。
そして今日、唯一残っていたX JAPANのポスターの角がぺろんと剥がれたのを機に、それも取っ払ってしまった。
それは、単にポスターを剥がすという意味合いだけではなく、私の中では一つの区切りだった。

1994年から2017年まで、私にとってX JAPANは、他の好きなアーティストたちとは一線を画す大きな存在だった。
生かされ、支えられ、エネルギーをもらってきた。彼らの曲を爆音で聴いていると、体中の血が勢いよく駆け巡り、自分の中に眠っている力が目覚めるように感じた。
まだかさぶたになっていない生々しい傷をえぐって血を流すことで、逆に癒やしていくような、そんなところが好きだった。
不安は涙に、かなしみは怒りに、怒りはパワーに、絶望は希望への入口に変わっていった。

X JAPANの熱烈なファンを「運命共同体」と呼ぶ。
「あぁ、私はもう、運命共同体ではなくなるんだろうな」と思う瞬間、きっかけが、たしかにあった。
そのほんの2年くらい前までは、まさかそんな日が来るとは微塵も予想していなかったので、驚いたことは驚いた。
でも、全然、さみしくも悲しくもなかった。

たぶん、私が変わったわけでも、彼らが変わったわけでもない。変わったのは、魔法の力だ。
2017年以前も、もやもやすることは、実は何度もあった。けれど、彼らの圧倒的なエネルギーを前にすると、そんなもやもやがどうでも良くなる魔法にかかった。
ある要因があって、その魔法の効力が切れてしまった。

曲自体は、今でも好きだ……たぶん。
でも、以前のように、あんなにまで熱狂することは、もうないだろう。
ずっと出ないままのアルバムが出たら、きっと買う。Toshlが長い長いレコーディングを頑張った成果であり、魂の歌声の結晶だから。
ライブがあったら……どうするかな。行くのかな。行かないかな。

「今までありがとう」って言うべきなんだろうな。

今までありがとう。
ばいばい。

何歩か引いて、遠いところから、見たり見なかったりするね。

メンバー全員が写っているジグソーパズルは、まだ飾ってあるんだけどね。せっかく完成させたからね。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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