月に舞う桜
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2019年06月14日(金) |
希望とは、絶望を分かち合うこと(by熊谷晋一郎) |
私が好きな(日本の)学者で三本の指に入るお一人、東大の熊谷晋一郎先生。
その熊谷先生が
「希望とは(絶望しないことではなく)絶望を分かち合うことである」
と言っていたらしい。 この言葉、いいなあ。名言だわ。 希望の押しつけじゃなく、絶望を肯定していて。
で、「希望とは(絶望しないことではなく)絶望を分かち合うことである」という言葉で、ふと思ったこと。 私はミスチルの曲に希望を感じるのだけど、それって、彼らの音楽が強い希望の光を放っているからと言うより、彼らの音楽に「絶望を分かち合うことの中にある希望」を見ているからかも。絶望を分かち合うことで希望を見出し、外に向かって飛び出て解放されるイメージ。
それに対して、X JAPANは「絶望を分かち合う」と言うより、語り手の個人的な絶望や悲しみを聴き手がそれぞれ勝手に内面化して、勝手にかさぶた引っぺがして、カタルシスを得るイメージ。分かち合うことで外へ解放されるのじゃなく、絶望を見つめて己の内側に入り込んでいくことでむしろ解放される、みたいな。 ここらへんが、私の中でのミスチルとX JAPANの違い。
まあ、最近はX JAPANから心が離れつつあるんだけどさ。
(ちなみに、三本の指に入る好きな学者のあとの二人は、法政の上西充子先生と立命館の立岩真也先生です。)
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