月に舞う桜
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2019年04月17日(水) |
巷の使えない「バリアフリー」 |
先日行ったショッピングセンターの多目的トイレの話。 中の開閉ボタンがドアとベビーシートの間の角っこにあって、車椅子では手が届きづらい。
ボタンがある壁にべったり寄れないし、ドアが邪魔で近寄れないし。車椅子ユーザーは腕が伸ばしづらい&前屈みになれない人も多い。
でも、このトイレ、ちゃんと背もたれが付いている点は素晴らしい。
車椅子ユーザーは歩けないだけでなく体幹障害もある人が多いのに、背もたれがある多目的トイレは少ない。 後ろにタンクがあれば、不充分ながらも便器の蓋を背もたれ代わりにしたりもするけど、便器の蓋すらなくて現実問題として使えないトイレだってある。
使えないと言えば、エレベーター内に車椅子ユーザーの手が届くボタンが設置されていなくて困ることも、たまにある。エレベーターですよ? エレベーターの外に「車椅子やベビーカーを優先してください」と書いてあるのに、エレベーター内に車椅子用のボタンがなく、そうとは思わずに独りで乗ってしまって閉じ込められたり。
設備を作っても、車椅子ユーザーが独りで使えなければ、それはバリアフリーではない。
こういう「多目的トイレなのに、車椅子ユーザーが独りで使えない(使いづらい)構造」とか、「エレベーター内に、車椅子ユーザーの手が届くボタンが設置されていない」等々は、「車椅子ユーザーは独りで行動しない」という偏見(見下し)の産物なのではと疑っている。 差別と不利益の解消、権利保障のために作った設備によって、「社会はどこまでもマジョリティのための設計であり、それを真に必要としている人々の利用を、現実感を持って想定していない」という現実をよりいっそう際立たせる皮肉な結果よ。
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