月に舞う桜
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近くに行ったついでに、母校大学にふらりと立ち寄ってみた。 建物には入らず、敷地内をちょこっとうろうろ。講義シラバスを見ている新入生らしき人もいて、懐かしいやら眩しいやら、自分の場違いさに気後れするやら。 あの頃に戻りたいかと言えば、そうでもないのだけれど、「戻れないんだなあ」と思うと、かすかな感傷と疎外感を覚える。
点在する掲示板のどれにも、「カルト宗教のダミーサークルが勧誘活動をおこなっています」という警告が大きく貼られていた。うちの大学がカルト対策の意識を持っていることに、少しほっとした。 ちょうどそのころ読んでいたカルト関係の本に、「大学でカルトに関する教育や啓発をしっかりやるべき」というようなことが書かれていた。大学にカルトが入り込んでいるのは心配だし、掲示物だけでは不十分だけど、警告が目に付けば危機意識が芽生えて思いとどまる学生もいるかもしれない。 誰も、カルトの被害に遭いませんように。
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