月に舞う桜
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2018年10月31日(水) |
本質を理解していない言葉の選び方 |
今夜のNHKニュース。 「旧優生保護法下での障害者への強制不妊手術に関して、自公が救済の基本方針をまとめた」というニュースの際に
「手術を受けた人たち」
との表現を使っていた。
この表現では強制不妊手術の本質が伝わらない。 「受けた」じゃなく、「受けさせられた」ですよ。
「受けた」では、手術された当事者の主体性が入り、相対的に強制不妊手術の加害性が薄れてしまう。 「手術を受けた人たち」は、問題の本質をとらえていない表現だ。 報道機関として、もっとしっかりしてほしい。
これに限らず、最近はメディアや政治家など公の言葉の選び方がいいかげんと感じることがままあって、とても気になる。 無自覚なのか意図的なのか分からないけれど、言葉の使い方が貧相。その言葉によって何がどのように伝わるのかをしっかり吟味していないのだろうと思う。 いいかげんな言葉選びをしていると、言葉がどんどん薄っぺらく無意味なものになって、物事の本質が伝わらなくなる。
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