月に舞う桜
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2017年02月12日(日) |
【2/11】ToshlバレンタインROCK祭り!「PREMIUM ROCK NIGHT」〜ライブ編 |
ToshlバレンタインROCK祭り!の1日目「PREMIUM ROCK NIGHT」の続き。
セットリスト↓ 星空のネプチューン Carry On Passion of Love Natural High Spacious Love Birthday Eve Grace Morning Glory 群青の夕紅れ 天使のメヌエット いつまでも どこまでも 武士JAPAN Beautiful Harmony
==アンコール== CRYSTAL MEMORIES 雨音
ライブ本編では、Toshlは黒いジャケットを羽織って登場した。 1曲目の星空のネプチューンから、圧倒される歌声。素敵。素敵すぎる。Toshlの調子が良いのかもしれないけど、会場の音響設備(マイク?)も良いのかな。声がとても深くきれいに響く。
Toshl「皆さん、こんばんは!」
VIPのときは「こんにちは」だったけど、もう夜だから「こんばんは」なのね。
Toshl「今日はプレミアム、アダルティック、ロックナイト……」
正しくはPREMIUM ROCK NIGHTなんだけど、どうしても「アダルト」という言葉を入れたがるToshlくん。そして、普通に「アダルト」と言えばいいのに、いつも「アダルティ」とか「アダルティック」とか変な言い回しにするToshlくん。
Toshl「バレンタインROCK祭りということで、ロマンティックな夜ですから……CUTTくん、ロマンティックってどう言うの?」
CUTT「ロマンチック」
Toshlは英検一級のCUTTくんに本場の英語っぽい発音を期待して振ったんだろうけど、コテコテの関西訛りで返して笑いを誘うCUTTくんなのであった。
VIPのときもライブ本編でも、ToshlはVIPのプレゼントだった青く光る猫耳カチューシャを付けている私たちを見て、笑っていた。「ここから見ると異様な光景」とか「みんな、いつもよりかわいいよ……あ、猫耳がね」とか「いや、ホント、素敵ですよ。バレンタインだから、これくらい言っておかないと」とか言いながら。
Toshlが「早くもノリノリで行くよー! 立っていいからね」とのことで、客席が総立ちとなってCarry On、それからPassion of Loveを披露。2曲とも元気になれる曲で、Toshlがにこにこしながら楽しそうに歌っているのが印象的だった。Passion of Loveは初めて生で聴いたかなあ。曲の最後、Toshlに促されて「ラララ」をみんなで繰り返した。Toshlと、私たちと、一体感を感じられる。
次のNatural Highも、生で初めて聴いた。これも一度でいいから生歌を聴いてみたかった曲だ。Toshlのライブに行くたびに、念願は一つずつ叶っていく。叶えてくれて、ありがとう。 この曲もVIPで公開レコーディングしたLove Songと同様、98年のアルバム『壊れた世界でカナリアは歌う』に収録されている(と言うか、Natural Highがシングル曲で、Love Songがカップリングだった)ので、もう聴けないかもなあと勝手に思っていた。VIPのときToshlが「このアルバムを聴いてもいいんだよ」と言ったことを思い出して、97,98年の曲もいまこうして歌ってくれることが本当に嬉しくて、バラードじゃなくハードな曲なのに泣いた。 Natural Highを歌うToshlは圧倒的に力強くて格好良くて、ときどきセクシー。珍しく、ちょっとドキドキしてしまった。Toshlを見てドキドキするのは握手したり話したりするときだけで、歌う姿を見ても普段はそんなことないのに。 今回のバンド編成に合わせた編曲が素晴らしくて、特に曲の締めでサックスとバイオリンとピアノが同じフレーズを畳み掛けるように奏でるところが、曲の格好良さを引き上げている。Toshlが編曲したのかは分からないけど、歌以外でも魅せてくれるライブだ。 オリジナルでは、葉加瀬太郎のバイオリンが際立っている。ライブに参加していたバイオリニストのかたには失礼だけど、曲を聴き終わってから頭の中で葉加瀬太郎のバイオリンの音がずっと流れていて、それは家に帰っても続いていた。決して今回のバイオリンが悪かったというわけじゃなく、それだけ葉加瀬太郎の存在感と技量がすごいということだ。 客席に私と同じような人がいたみたいで、曲が終わると「葉加瀬!」と声が飛んだ。すかさず、Toshlが「ここに葉加瀬はいないからね」とちょっとたしなめる。 当時、ちょうどToshlの洗脳報道が出たりして、葉加瀬太郎は迷惑を被ったんじゃないだろうか。Toshlくん、戻ってきてからちゃんと謝ったかなあ。できることなら、またいつかコラボしてくれたら嬉しいけど、難しいかなあ。いつか葉加瀬太郎のコンサートにも行ってみたいものだ。
Spacious Loveは多幸感あふれる曲。最後のほうは「Oh Spacious Love〜Oh Precious girl〜♪」とみんなで歌って、そこにToshlがかぶせてくる。CUTTくんもコーラスで参加していた。 次のBirthday Eveは、系統としてはNatural Highみたいな「カッコいい系」なんだけど、こちらはサックスが効いている。 今日は初めて生で聴く曲が多い。セットリストの半分近くが、そうだ。Spacious Loveしかり、Birthday Eveしかり。
Birthday Eveが終わると、Toshlはスタッフが持ってきた椅子に腰かけ、客席にも座るよう促した。そして、Graceを歌う。去年10月のプレミアムバースデーで聴いたときよりも、声がやさしく感じた。Toshlはいま、とっても穏やかな気持ちで歌えているのかな。
Toshl「今日は僕の幅広い音楽性を聴いてもらおうと……」
曲が終わってToshlがそう言うと、くすくす笑いが漏れた。
Toshl「え? 何がおかしいの? 何か変なこと言った?」
振り返ってCUTTくんに助けを求めるToshlくん。
CUTT「いや別に変ではないですけど、あんまりご自分で幅広いって言わはる人はいないんじゃないかと……」
Toshl「そうなの? だって、幅広いでしょ?」
ますます笑う私たち。 う、うん、確かに幅広いよ。明るくポップな曲もカッコいいハードな曲も、しっとりバラードも歌いこなすもんね。 でもね、Toshlくん、日本人には謙虚とか奥ゆかしいという美徳があってね……いや、まあ、いいけど。ボケなのか素なのか分からないところがあって、かわいいな、おい!
Toshl「今日、みんなにどんな曲を聴いてもらおうかと思っていろいろ考えたんですが、これをやろうって一番最初に決めたのがこの曲です。みなさんへの想いを込めて、Morning Glory」
正直、私はこの瞬間まで、この曲のことをほとんど忘れていた。私の中の「聴きたい曲リスト」にも「セットリスト予想」にも入っていなかった。 けれど、Toshlの深くやさしく語りかけるような声で、しっかり歌詞を噛み締めながら聴いたら、「この曲を歌いたい」と一番に決めたToshlの想いが素直に流れ込んできて、感謝の気持ちと愛しさでいっぱいになった。 曲のサビに「I love you 心から 捧げる あなたのすべてに 素直に ありがとう」という歌詞がある。 自惚れかもしれないけれど、私たちはToshlにとても感謝されているし、とても大切に思ってもらえていると思う。そして、心のどこかがちゃんと繋がっていると、そう思う。
Morning Gloryを歌い終わると、Toshlは「いやぁ、こうやって座って聴くのもいいね」と呟いた。その言葉に、私たちはまた思わず笑ってしまう。それで、「え、また何か変なこと言った?」と驚くToshlくん。 うーんと、自画自賛と言うか……いや、いいんだけどね! でも、表現としては「座って聴くのも」より「座って聴いてもらうのも」のほうが正しいんでは?
Toshl「こんなこと言ってるから、また天狗になってるとか言われるのかなあ」
ええっ!? 誰かに天狗になってるって言われたの?
Toshl「僕、天狗になってる? なってたら、なってるって言ってね」
客席「なってない!!」
Toshl「大丈夫?」
私たちは力強く頷いて、口々に「大丈夫!」と叫んだ。 大丈夫だよ、Toshlくん。天狗じゃないよ。お茶目で面白いだけだよ。 (って言うか、Toshlなんだから天狗になってもいいと思うけど。)
GraceとMorning Gloryのやさしい声から一転、群青の夕紅れは再び力強く歌い上げる。
そして、Toshlは次の曲を「天使のメヌエット」と紹介した。この曲はちっとも記憶になく、タイトルを聞いたときはもちろん、歌が始まっても全く思い出せなかった。帰ってから調べたら、97年(X JAPAN脱退・解散前)に発売されたアルバム『碧い宇宙の旅人』に収録されていた。このアルバムは当時買った記憶がある(けれど、そのあと悲しくなって捨ててしまった)。だから天使のメヌエットも絶対聴いたことがあるはずなのになあ。 まあ、私の記憶の話はどうでもいいとして、この天使のメヌエットはGraceやMorning Gloryにもましてやさしい声で本当に心地よかった。やわらかく穏やかな光に包まれているようで、安心感とあたたかさが胸に満ちてくる。こういうのを、癒しって言うんだよね。誰に強制されるわけでもなく、Toshlの内側から滲み出る癒しの声。ロックか癒しか、じゃない。深みも力強さもやさしさも、シャウトもハードロックもハイトーンも癒しも、全部、Toshlの真実。
そのあと、いつまでも どこまでも、それから武士JAPANと続いた。また総立ちになって盛り上がる。天使のメヌエット、いつまでも どこまでも、と来て、武士JAPANですよ。やさしい声で癒したと思ったら、今度は全力で煽ってくるわけですよ。いやー、ホント「幅広い音楽性」ですわ。
その次のBeautiful Harmonyはソロ曲で3本の指に入るくらい好きなので、最近しょっちゅう歌ってくれて嬉しい。サビの英語詞はToshlと皆とずっと歌っていたい。
アンコールは、Toshlだけが登場した。 Toshlが楽曲を制作したフジゲームスのゲーム「ORDINAL STRATA」のイメージ画像がスクリーンに映し出されて、ゲームに使われるCRYSTAL MEMORIESという曲が流れた。Toshlはこちらに背を向けて椅子に座り、私たちと一緒にスクリーンを見て、一緒に曲を聴いていた。 CRYSTAL MEMORIESは全編英語詞で、広大な海を思わせる壮大なバラードだった。「フルオーケストラを使っているので今日のライブでは再現が難しく、生演奏はできなかった」とのこと。また、「ゲームのためにもう1曲作ったけれど、それは大人の事情で今日は解禁できない」とも言っていた。時の海へ、というタイトルで、CRYSTAL MEMORIESよりハードな曲らしい。 「ORDINAL STRATA」はスマホ用ゲームで、夏に出るらしい。それに合わせてCRYSTAL MEMORIESと時の海へも発売されると思う、と。ゲームは、時空を超えて散らばった魂を集めてどうのこうの……という物語だそうな。私、スマホじゃないからなあ。
Toshl「僕はそれまでゲームとかあんまりやったことなかったんですが、やってみると結構……」
Toshlはそこまで言うと、笑った。何かを隠すような、言いよどんだ笑い方だったので、何かなあと思ったら、
Toshl「いや、二次元とかよく分からなかったけど、ゲームに出てくる女の子のキャラクターが結構かわいくて……こうやって深いとこまで関わるとね」
おーい! そこか! なんだかんだ言ってToshlも男子だな!
「ゲームはあまりやったことなかったけど」のくだりで、30年前のゲームしか知らなかったというような話もしていて、「あれから30年……」と言うので、客席からは「きみまろ!」と声が飛んだ。
それから、去年10/29にあった「プレミアムバースデー昼公演」のリベンジ公演を3/26にやる、とToshlからアナウンスがあった(当日はプレゼント抽選会が長引いてコンサートが短縮されてしまったから、追加公演をやるとToshlが約束してくれていた)。わーい、本当に追加公演やってくれるんだ! 嬉しいな! 楽しみだな! 「今年はこれからいろいろあるよ。去年もすごかったけど、今年はもっとすごいからね」とも言っていた。去年よりすごいのかあ。ワクワク! ちゃんとついて行くからね!
ライブの最後は雨音だった。バックバンドからバイオリンの人だけが登場して、演奏する。Toshlはピアノを弾きながら歌った。 雨音は、Toshlの思いの丈が詰まった曲だ。こちら側へ戻ってきたあと、2010年2月に発売したアルバムに収録されている。この曲の中で、Toshlは「私はすべてを失くしました」と歌っている。「あなたは私の光でいてください」とも。初めて聴いたとき、涙が止まらなかった。そのあともしばらくは聴くたびに胸が締め付けられた。 でも、いまはちょっと違う。かなしいだけじゃない。私たちに向けられた想いを、本当に愛しく思うし、全力で受け止めたい。それに、Toshlは確かにとても大きなものを、取り返しのつかないものを失ったのだろうけれど、それでもいま、ここにこうして大きなものが残っていて、Toshlはそれを分かっていると思う。
雨音が終わると、Toshlは深くお辞儀をした。それからToshlに促されて、バイオリンの人も一礼。他のバンドメンバーは出てこなかった。せっかくだから、きちんとバンドメンバーを紹介してくれればいいのになぁ。
「ヴォーカリストToshl」の魅力を余すところなく堪能できたライブだった(まさに幅広い音楽性!……笑)。X JAPANの曲をやらなくたって、もう本当に大満足だ。いろんな歌を聴けて良かったな。嬉しかったよ。
(続く)
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