月に舞う桜

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2016年10月30日(日) 【10/29】Toshl スーパープレミアムバースデー(昼公演)〜コンサート編

Toshlスーパープレミアムバースデーの続きです。

プレゼント抽選会が終わるとToshlが「5分後にコンサート始めるよ!」と言ったので、会場中がざわついて慌てた空気になる。ホテルのスタッフがテーブルを全部端っこに寄せて、会場の真ん中に広いスペースを作った。コンサートは、決められた席ではなく、椅子を好きな場所に持って行って聴いて良いということらしい。前に詰める人が多かったけれど、私はあまり前に行くと却って見づらくなるので、会場の真ん中あたりに陣取った。
宣言通り、あまり時間をおかずにToshlが再度登場した。CUTTくんがギターを弾き、小瀧くんがピアノを弾く。

セットリスト↓
Carry On
HANA〜いのちの芽ばえ〜
群青の夕紅れ
Moonstone
Grace
Beautiful Harmony
星空のネプチューン

1曲目のCarry OnはToshlもギターを弾いていた。
ロックライブとは違ってエレキギターやドラムの派手な音がないから、Toshlの歌声がよりストレートに、クリアに伝わってくる。いいわー、これ!
Carry Onは明るい曲で、歌っているToshlも楽しそう。その姿を見ていたら、私もさらに楽しくなる。
曲が終わると、Toshlは「この曲は歌詞が好きです」と言った。そっかあ、そうなんだねー。

そして2曲目は、念願のHANAだった!
HANAはToshlのソロ曲の中で三本の指に入るくらい好きで、ずっとずっと生で聴きたくて待ち焦がれていた曲だ。ここ数年、ソロライブで何度か披露したことがあるようだけど、なぜか私が行けないときに限って歌っていた。それが、やっと願いが叶って生歌が聴けるのだ。

「誰にも太陽はいつも降りそそぐよ あなたのもとへも強く美しく」(『HANA〜いのちの芽ばえ〜』より/作詞:Toshi)

この曲は、あたたかく希望に満ちた歌だ。発表したのは、確かちょうどXJAPANから離れようとしていた頃だ。とても疲弊し、苦悩の中で、あちら側へ行ってしまった頃。そんな状況でも、Toshlがこういうあたたかい歌を作り、歌えていたことは、少しほっとする。Toshl自身の誤った選択によって、その後の12年に渡る壮絶な日々が始まったわけだけれど、当時の彼を想うと、その道に歩みを進める中で希望を感じられる瞬間があったのなら、それはせめてもの救いだと思う。
Toshlはいま、どんな想いを込めて、どんな希望を込めてこの曲を歌っているのだろう。あの頃とは違う想いがたくさんたくさんあるだろう。でも、この曲が持つあたたかさや強さは何も変わっていない。「あの頃から何も変わっていない」のではなく、いまのToshlが持っているものは、本当はあの頃もあったのだと思う。本質は、そんなに変わらない。いまも昔も、ToshlはToshlだ。そして、曲は色あせることなく、むしろ深みを増して、私たちをやさしく包む。

太陽の代わりに、Toshlの声が降りそそぐ。いま、この曲を聴くことができて、幸せだ。ライブのたびに、ずっと聴きたかった曲が1曲ずつ叶えられていく。
HANAを聴きながら、頭の片隅でENDLESS RAINを思い出していた。
ENDLESS RAINは、かなしみに傷ついて行き場のない心に寄り添って、その場所で泣かせてくれる曲だ。
HANAは、やさしく包み込んで立ち上がらせ、背中を押してくれる曲だ。
HANAとENDLESS RAIN、太陽と雨。一見対照的な曲のようにも見えるけれど、視点が違うだけで、聴き手を支えてくれることに変わりはない。
たぶん、YOSHIKIにはHANAの歌詞は書けないし、ToshlにはENDLESS RAINの歌詞は書けない。私にはどちらも必要で、どちらも大切。そして、Toshlにはどちらも歌い続けてほしい。
でも、願わくば、Toshl自身に降りそそぐのは、かなしみを包む終わらない雨ではなく、やさしい太陽の光でありますように。

HANAについても、Toshlは一言「この曲は歌詞が好きです」と言った。Carry Onと同じだよ……客席から苦笑が漏れる。一応、1曲1曲コメントしようとしてるのかなあ。でも、先を急いでいる印象。

群青の夕紅れは、初めて聴いたときはそんなに心に響かなかったけど、生で聴くたびに「あ、結構いいじゃん」と思わされる。この曲から、詞が好きだとか曲が好きだとか、そんな一言さえもコメントされなくなった。
Moonstoneも、生では初めて聴く。力強い群青の夕紅れから一転、しっとりと大人のバラード。Toshlのいろんな面を見ることができるのが、こういうショーの醍醐味だ。心地良くって、ちょっと眠くなったのは秘密。

Moonstoneのあと、ToshlはCUTTくんと小瀧くんそれぞれに歩み寄り、楽譜を指して「次はそれじゃなくて、こっちをやろう」と言った。
あら、急なセトリ変更ですか。

そして披露されたのは、Graceだった。
Graceも、たぶん生は初めてだ。これも、ずっと聴きたかった1曲だ。
HANAよりも2年ほど前に、この曲をタイトルにしたアルバムが出ている。この曲の歌詞が誰にあてて書かれたのかという噂を、ネットで見たことがあるのを思い出した。せっかく「いまのToshl」の生歌を聴いているのに、そんな噂を思い出さなくてもよさそうなものだ。でも、私はちっとも嫌な気分じゃなかった。その噂が単なる噂なのか真実なのかは分からないし、そもそも、いまとなっては真相なんてどうでもいいことだ。いまのToshlが、おそらくあの頃とは違う気持ちを胸に、いまのGraceを歌っている。
目の前のToshlが歌うGraceは、とてもとても素敵な歌だった。仮に、歌詞の中の「あなた」が、かつては噂通りの人を指していたのだとしても、Toshlがこの曲を封印しなかったことに感謝したい。歌に罪はなく、歌詞を書いた当時のToshlにも罪はなく、歌は純粋に歌として生き続ける。長い時を経て、いま、「あなた」はToshlを支えるすべての人を指しているのだと思う。

次のBeautiful Harmonyも、HANAと同じく、私にとってソロ曲の中で三本の指に入る。

「希望の言葉は 希望を伝える あなたが「絶望」と言うなら…」(『Beautiful Harmony』より/作詞:TOSHI)

何度聴いても、この歌詞が心に沁みる。いまのToshlが歌うと、特に。やっぱり、本質は変わっていないんだよ。いまも昔も、ToshlはToshlなんだよ。4、5年前とか10年前のToshlに教えてあげたくなる。20年以上前の貴方が、すでにこんな歌詞を書いているよ、って。
この曲を生で聴くのは、たぶん3度目だ。いつも、サビをみんなで歌えるのが嬉しい。みんなで歌うときはToshlが主旋律を外れて歌うから、引きずられないようにするのが大変。
CUTTくんのコーラスとハモリは相変わらず絶妙だ。声質がToshlと相性良いし、とてもうまいのに出しゃばり過ぎないところが好印象。

Beautiful Harmonyが終わると、CUTTくんと小瀧くんが退場した。

Toshl「えー、ここでかなしいお知らせです。次が最後の曲となってしまいました」

客席から落胆の声。Toshlは明言を避けたけれど、どうやら宴会場を借りられるタイムリミットが迫っているようだった。プレゼント抽選会が長引いちゃったからねー。

Toshlは「申し訳ないので、改めて追加公演をやります」と言った。客席がちょっと微妙な空気になる。すると、それを察してか、Toshlが「もちろん、皆さんはご招待ですよ」と付け加えた。私も含め、客席安堵。でも、この場でそんなこと言い切っちゃって大丈夫なのかなー。スタッフとちゃんと話し合ったのかなあ?
今回の昼公演は、「Toshlが選ぶソロ10曲」と銘打たれていた。実際は、次の曲を入れて7曲。10曲と告知しちゃってたから、追加公演しないわけにいかないんだろうな。まあ、嬉しいけど。

最後は、Toshlが自分でピアノを弾きながら、星空のネプチューンだった。この曲、高音がすごいよなあ。圧巻ですわ。

そんなこんなで、あっと言う間のコンサートだったけれど、大満足でした。
終了後、宴会場の前室で他の人たちと当たったプレゼントを見せ合っていたら、スタッフが大急ぎで撤収作業していて、私たちも退出を急かされた。スタッフさん、ご苦労様です。

ちなみに、後日、日程は未定だけれど追加公演をやる旨のメールが、事務局からきちんと届きました。Toshlのスケジュールが詰まっているので、来年4月以降になるそうな。楽しみだなー。

(完)


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