月に舞う桜
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2016年09月30日(金) |
未来の私のための、覚え書き |
できればそんなことは起きてほしくないのだけれど、もしも私の身に今まで味わったことのないような哀しみや絶望が降りかかって、生の世界から出て行きたいと思うほど心が痛みでがんじがらめになったら、湯本香樹実の『ポプラの秋』を読もうと思う。
でも、それほどまでに苦しいとき、昔読んだ小説のことなんて思い出せないだろうから、誰か教えてほしい。
人の心の温かさや、やさしさや、痛みや悲しみ、苦しさの真っただ中からの再生、そういったものを丁寧に描いている物語は、好きだ。
そして、そういう物語を紡ぐことのできる人を、尊敬する。
小説なんていうのは、所詮フィクションで、ただの絵空事だ。 でも、人の心が作り出したものだから、人の心を支えもするし、救いもする。
何かのCMが言っていた。 「人が想像できることは、実現できる」って。 SFじゃないなら、なおさらだろう。
ならば、フィクションに描かれた再生もまた、実現可能なはずなのだ。
もしも私が痛みや哀しみに打ちのめされそうになることがあるとしたら、未来の私よ、どうか思い出して。
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