月に舞う桜

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2016年09月27日(火) 暑さにやられて、『KYOKO』を探して

先週は寒かったのに、今週は一転、夏が舞い戻ったかのような暑さだ。

昨日はハローワークへ失業手当の申請に行った。
ハローワークは駅から徒歩15分かかる。往復で30分。暑さにやられてしまったようで、昨夜から今日の昼過ぎまで体がしんどかった。
自己都合退職の場合、手当がもらえるまで3ヶ月の待機期間がある。退職日から、ではなくて、申請してから3ヶ月らしい。
ということは、会社がもっと早く離職票をくれていたら、もっと早く申請できて、もっと早く手当が受け取れるようになったってことよね。まったく、もう!

ハローワークのあと、本屋で村上龍の小説『KYOKO』を探した。
店員さんに頼んで、系列店や出版社にも問い合わせてもらったけれど、どこにも在庫がないらしい。どうやら絶版になっているもよう。
ネット書店も、どこも一様に「注文不可」となっている。

私にとってToshlは、『KYOKO』の主人公キョウコにとってのホセのような存在だ、ということは今年1月5日付の日記の後半に書いた。

1/5の日記

幼少期に両親を事故で亡くしたキョウコは在日米兵のホセからダンスを教わり、そのダンスがキョウコを孤独から救ってくれた。
「どんなことがあっても、これがあれば生きていける」と思えるものを教えてくれたホセにお礼を言うため、大人になったキョウコは、はるばるニューヨークまでホセに会いに行く。
そして、末期のエイズ患者であるホセの願いを叶えるため、ホセを車に乗せて、マイアミに住む母親のもとへ連れて行く……というのが『KYOKO』のあらすじだ。
(1/5の日記ではホセの故郷はキューバだと書いたが、正しくは、家族でキューバからアメリカへ亡命して来て、母親はマイアミに住んでいるのだった)

私は、Xの曲、Toshlの歌声を聴いたとき、「この音楽、この声があれば生きていける」と思ってしまった。
だから、Toshlは、私にとってのホセなのだ。
それで、その想いを伝えたくて、今年のToshlの誕生日は『KYOKO』をプレゼントしようと決めた。
ところが、上述の通り、絶版なのである。
私が持っている本は、長い年月の末に染みがたくさん付いてしまい、とてもあげられる状態ではない。しかも、よく見るとブックオフのシールが貼ってある。私も新品を買ったわけじゃなかったのか……。

この小説がToshlの好みかどうか分からないし、そもそも本を読んでくれるかどうかも分からない。
それでも、いいのだ。ただの自己満足だけど、気持ちとともに贈ることができれば、それでいい。

なるべくきれいな中古を探すしかないなあ。

先日のニコニコToshlチャンネルの放送で、私の質問が読まれた。
前半は割愛されていたし、実際に質問文を読み上げたのはゲストの(というか、ほぼレギュラー化している)CUTTくんだったけど、嬉しかった。うふふ。
今回の放送で募集していたお便りのお題が「秋といえば」だった。
『KYOKO』を贈るにあたり(まだ本を手に入れてないけど)、Toshlの小説の好みを知りたかったので、「読書や芸術の秋」でちょうど良いと思い、「どんな小説や映画が好きですか?」と聞いた。
まあ、どんな答えであれ、『KYOKO』を送りつけることに変わりはないんだけど。
私の投稿を何とか選んでほしいと、頭をひねった。
10/5の深夜に、お笑い芸人兼芥川賞作家の又吉直樹と一緒に番組をやるので、その話題も絡めて質問してみた。
タイムリーな話題って取り上げられやすいし、番宣にもなるし。
結果、ビンゴ!
グッジョブだったよ、私! やったよ!

……と浮かれている場合ではなくて、『KYOKO』を手に入れなくては。

ちなみに、Toshlはこの前の芥川賞作品『コンビニ人間』が面白かったと言っていた。又吉の『火花』は言葉が難しくて何度も読んだそうな。
映画はドリーを観て、思いのほかウルッと来たらしい。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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