月に舞う桜
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去年のいつ頃からだろうか、日記を書く意欲が皆無に近くなってしまった。日記だけじゃなく、そもそも「物を書く」という意欲が湧いてこない。 このままだと日記ではなくて「月記」になってしまうなあ……いや、すでになってるか。
職場では、年が明けてから最近までずっと風邪やインフルエンザが流行っていた。 特に私と席の近い人が次々にダウンして会社を休むので、風邪とインフルエンザが背後から忍び寄って来るような気がして恐ろしかった。でもまあ、幸いなことに私はダウンせずにいて、そろそろ流行も過ぎ去った感があるので、何とか乗り切ったかなあと、ほっと胸を撫で下ろしている。 が、まだまだ油断は禁物! 通勤中のマスクは欠かせない。だけど、マスクをしていると、どうも顎の辺りが荒れて嫌だ。
横浜は毎日寒い。 昨日は雪が降った。雪が積もると車椅子での走行が難しく外に出られないので、連休中で良かったとつくづく思う。 毎日寒いけれど、確実に日は長くなっている。会社を出たときの空の色が、日に日に明るくなるのだ。昨日より今日、今日より明日。
週末、ブックオフで手塚治虫の「ブッダ」を買いそろえた。 「聖☆おにいさん」をきっかけに興味を持って、いつか読破したいと思っていた。だから今回の大人買いは、5月に公開される映画の主題歌をXJAPANが担当するから、というわけではない。けれど、映画のことが頭にあって大人買いを後押しされたことは事実だろうと思う。 こういうふうにいろんな偶然の巡り合わせが重なると、私はいつも、すべては繋がっているんだと感じる。
1月末に行った「オンタマカーニバル2011」でスキマスイッチの「ガラナ」を聴いたとき、私は目が覚めた。「情けないぜ 何してんだ」のフレーズで、ハッと我に返ったのだ。 大人でいること、社会人でいることにはたくさんの責任が付きまとう。仕事は大事。それを取り巻く人間関係も、大事だ。 だけど、責任だとか仕事だとかって言葉を、私は便利な逃げ道に使っていただけだ。自分が傷ついたり、何かが壊れてしまうのが怖いから。 いま一番優先すべきものは何なのかを、「ガラナ」の歌詞に突きつけられた。歌詞のたったワンフレーズに触発されてその気になるとは、なんて単純なんだろう。笑っちゃう。でも、そんな単純さが自分に残っていたと分かって、安心した。
頼りたくなるのは愛情ゆえなのか、それ以外の正当な理由があるからなのか、まったく別次元の心配ごとから現実逃避したいだけなのか、それは分からない。分からなくても、いいではないか。必要か、必要じゃないか、それだけだ。 ひょうひょうと、あっけらかんと生きてるんだと思ってた。だけど、案外「気にしい」な面もあるんだと知った。だから、なるべくやさしくいたいと思った。
仕事は大事だ。 その大事な仕事に私を繋ぎ止めてくれたのが誰だったのか、思い出した。いまとは違う立場と関係で、その頃は今日みたいな日を全然想像していなくて、でもたまたま隣にいて、本人は知る由もないけれど、繋ぎ止められた。 仕事を失ってもいいけれど、こんなふうに下らない話で笑い合える人間関係を失いたくない。そう思ったから、もう少し頑張ることにした。頑張ったら、道が開けた。 それで私は、いまこうしている。
やっぱり、すべては繋がっているんだ。
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