月に舞う桜

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2009年02月03日(火) 春の香りと思い出すのは

月曜日のたび、帰宅時に見上げる空が、自分の中のイメージよりもまたさらに明るくなっていることに驚く。
昨日もそうだった。曇っているにもかかわらず、記憶にある先週金曜日の空と比べて明らかに日が長い。
と言っても、季節が歩みを進めたのは空だけのようで、相変わらず寒さは厳しい。昨日は凍えそうだった。

それでも、昨日の仕事中、ふと春を想った。早すぎる予感。
エアコンの効いた……効き過ぎているくらいのフロア。相変わらず空が見えない席。仕事中の風景や空気は先週と何一つ変わっていないのに、突然、春の香りを思い出した。
春はいろいろなことが起こる。
恋が始まったり終わったり、新しい環境に飛び込んだり、そこで多くの出会いがあったり、Xが復活したり、hideがロケットで飛び立ったり、花粉症疑惑が出ては消えたり、勉強を始めたり、いろいろと。
今年はどんな春になるだろうか。

今日は、まだ火曜日なのに「もう耐えられない」気分だった。
周期的に、仕事が嫌で嫌でたまらなくなる。トラブルが起きたわけでも、ややこしい電話を受けたわけでも、残業を押し付けられたわけでもないけれど、とにかく嫌になる。
「私、こんなところで何してるんだろう……」と考えてしまう。
電話は2コールで取ることにしているのだけれど、今日は電話が鳴って赤く点滅するボタンをぼんやり眺めてしまって、3コールになることもしばしばあった。
そういう状態になると、もうずいぶん前に消化したはずの昔を思い出したり、する。
自由なように見えて、本当はちっとも自由でなかった頃。あの頃の絶望感がよみがえって、それは決して、いま体験しているものではなくて飽くまでも思い出としての感情なのに、いたたまれなくなった。

いまの私は自由だ、と思う。
世の中はすさんでひどい状態かもしれないけれど、少なくとも私の個人的な世界は、だんだんと良くなってきている。
だから、大丈夫でしょ。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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