月に舞う桜

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2007年04月11日(水) 例外的に

和菓子は苦手だ。自分から進んで食べることはほとんどない。でも、数少ないけれど例外もあって、その中の一つがみたらし団子だ。
ときどき、無性にみたらし団子が食べたくなる。数日前からその時期に突入していたので、母に買っておいてもらった。
仕事から帰って早速食べたら、期待通りのおいしさだった。特に、ちょっと焦げ目のついたお団子はやわらかくて、小腹の空いた時間帯だったこともあって、いくらでも食べられそうだった。
が、しかし、そこはやはり和菓子の甘さが苦手な私のこと、実際は一本が限界なのであった。

鳥が嫌いだ。町なかでよく見かける鳥と言えば鳩とカラスだけど、両方とも大嫌いで、今すぐ絶滅したっていいと思っているくらいだ。
でも、そんな私が今日はカラスのことを心配した。
団地の前にあるイチョウの木の上の方に、カラスが巣を作っているらしい。近所の人は、ヒナが口を開けている様子が見えると言う。
今日は、仕事から帰ってきてからずっと、夜になってもカラスが鳴き続けている。それも、ずっと一定の調子で、まるで何かを訴えるような声で。
恋や喧嘩の鳴き声なら「まったく、うるさいな!」で終わりなのだけど、あまりに長いこと悲しそうな声で鳴き続けるので、同じく鳥嫌いの母と顔を見合わせて心配した。ヒナに何か、例えば巣から落ちたとか野良猫に襲われたとか、そういうことがあったんじゃないかと。それで、母カラスが自分ではどうにもできないその状況を、諦めることもできずに嘆き悲しんで鳴いているのではないかと。
勝手に想像を膨らませているだけなのかもしれないけれど、そんなふうに心配になってしまうほど、切実に鳴き続けている感じだったのだ。
今すぐ絶滅してもいいと言っておきながら矛盾していると思うけれど、いくらカラス嫌いの私でも、ヒナは無事に育てばいいなという気持ちはあるのだ。せっかく生まれてきたのに、巣から落ちたり野良猫に襲われたりして命を落とすのはかわいそうだ。だからと言って、例えば巣から落ちているヒナを拾って育ててあげようなんて気は、もちろんこれっぽちもないのだけれど。

昨日の朝、通勤途中に家の近くで盲導犬を連れている男性を見かけた。
盲導犬と言えば、騒音や人ごみにも動じず、常にご主人に忠実で、わき目も振らず立派に役目を果たすというイメージがある。
が、しかし、私は決定的瞬間を目撃してしまった。その盲導犬が、道端の花か何かに気をとられて立ち止まり、においを嗅いでいたのである。いいのか、そんなんで! 散歩中じゃないんだぞ!
その上、ご主人である男性がハーネスをぐいっと引っ張ると、あろうことか「うぅ〜」と恨めしそうに口答えしたんである。
その男性は、近所に住んでいるのか定かでないが、ずいぶん前からときどき見かけることがある。でも、昨日連れていた盲導犬が、前からずっと同じ犬なのかどうかは分からない。もしかすると、新米盲導犬なのかしら。
それにしても大丈夫なんだろうか、あの盲導犬。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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