月に舞う桜
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昨日、某バラエティー番組に家田荘子さんが出ていた。 一緒に出ていた芸能人と比べた相対的な年収の低さに、正直驚いた。 あれだけ著名な人なのに…。あれだけ映画がヒットしているのに…。 映画の原作料がロイヤリティー制ではなく定額制だというのは有名な話だけれど、実際に本人の口から聞くと改めてショックだった。 ノンフィクション作家だと取材費は出ないし、時には東京−大阪間の新幹線代のせいで足が出ることもあるらしい。 そんなのは売れない作家だけだと思ってたなぁ。
家田さんの「もっと文化に投資して下さい!」という言葉に、テレビの前で「そうだそうだ!」と頷いた。 バラエティーだから冗談めいた口調で言っていたけれど、かなり切実な本心なんだろうな。 日本は文化レベル自体は決して低くないのに、文化に対する意識が低い。 軽んじているとまでは言わないけれど、あまり重視していないように思う。 確かに、小説や映画を含むどんな文化も芸術も、なくたって生きていくには差し支えない。あった方がいいけれど、ないからと言って生きていくのに困るというわけではない。 でも、「必要最低限のもの」以外の部分を大切にする社会はとても豊かだし、余裕があって素敵だ。 何かを生み出すということに、もう少し目を向けてもいいんではないだろうか。 「ものを創る」って、工業製品だけではないのだよ。
「本ちょうだいってよく言われるけど、私だって8掛けで買ってるんですよ」と家田さん。 別にファンでもないのに、「あなたが8掛けで買った本を定価で買ってあげたい!」と思った。
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