理科室の掃除当番だった私は、
当然、掃除をしているフリをしていたのです。
理沙 「ねぇ、お別れ会の シンデレラの役 、あみ 立候補するの?」
あみ 「しないよ。」
理沙 「何で? すればいいのに。」
する訳ないじゃないのさぁ。
そんなめんどくさい事、この私がする訳ないのですよ。
中学校生活最後の イベントですよ。
絶対に、やらない。
知ってます?
シンデレラですよ、シンデレラ。
主役じゃないですか。
つー事は、台詞が ハンパじゃないって事ですよ。
これから覚えじゃくらなくっちゃ いけないって事ですよ。
かと言って、他の役も台詞が あるからやりたくない訳ですよ。
スタッフをやらされるのも、まっぴらなんですよ。
照明とか、小道具とかいろいろ大変じゃないですか。
じゃ一体、このキューティあみは何をやるんだと思うじゃないですか。
ちょい役ですよ。
ちょい役に決まってるじゃないですか。
ちょい役と言えば、シンデレラと一緒に 天井裏で遊ぶ仲間たち その1ですよ。
ネズミ役に 決まってますよ。
台詞は、「ねぇ、シンデレラ 遊ぼうよ!!」
これだけ。
なんて素晴らしい台詞。
この台詞さえ覚えじゃくってしまえば、もう安心。
何も心配する事はありません。
みんなの前で、恥をかく事もなければ、目立つ事もない。
別にあっても無くても、どっちでもいい役なのですよ。
マジ・やりたいよ。
やりたくてやりたくて しょうがないよ。
だけどまだ、キャストとかスタッフとか 何も決まっていないので、
心配なのです。
ネズミ役を誰かに、取られてしまったら
一体このキューティあみは、何をやればいいのか
途方に 暮れてしまうのです。
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