こんな一日でした。
日記INDEX|前の日|次の日
今年、我が家のトイレに大量の蜘蛛の子が発生した。その数たるや、恐ろしい。アンパンの芥子の実のような大きさで、昼間は散っていて、夜になると一カ所に集まっていた。
その蜘蛛の子達が、この夏、大活躍中である。家のあちこちに、大きくなった蜘蛛が巣を作り、どんどん蠅を捕獲している。蜘蛛はメタリックでまん丸な腹を持ち、針のような足をしている。SF映画の宇宙船のような姿だ。 その蜘蛛が、あっっっという間に蠅を捕まえて、鮮やかにぐるぐる糸を巻き、悠然と蠅の体液を吸っている。怖い。本当に、怖い。
我が家はあちこち傾いているので、全ての戸が閉まりきらず、隙間が開いている。その上、我が家には、なんと網戸がない。虫はいくらでも入ってくる。 夜になると、電気や白い色の部分に小さな虫が集まる。そして、一晩で息絶えてしまう。朝になると、蛍光灯の下などにちいさな虫の死骸がたくさん積もっている。困るのは、絵の上にも積もることだ。胡粉の辺りがとくにひどい。
蜘蛛は益虫だ、と昔から聞くが、ちっとも好ましい虫ではなく、子供の頃は毛虫と同じ害虫のような気がして仕方がなかった。しかし、今年になって、蠅を狩っていくその冷酷なハンターぶりが、実に頼もしく、心から「蜘蛛は益虫だ」と認識するにいたった。今時、知識としてではなく、実体験から、心の底から、虫の益について理解するなんてそうそうできない事じゃないかな、と思う。
頼りになる蜘蛛たち。惚れ惚れとするその活躍を見て、しかし、私は蜘蛛を嫌いになりそうである。怖い。本当に、本当に、怖すぎる。
|