[PR] 看護師 転職 B-SIDE DISC7 
B-SIDE DISC7 
杏子



 江國香織という作家

江國香織が 嫌いだ と

そう言った男の人がいた。




江國香織が 嫌いだ と言った

その男の人の文章が 私は好きで


その男の人は 私がインターネットを始めた頃に

このエンピツで 日記みたいな エッセイみたいな

そういう文章を 書いていた。




その男の人が 嫌いだと言った

江國香織の文章を読んで


私は江國香織を 好きだな と思った。




江國香織の文章が 好きな女。



結構、これは

私を的確に表す 形容詞になり得るな と


今更ながら 痛切に感じる。






誤解を畏れずに言うと


江國香織 という作家は

作家以前に 女性として


ちょっと 嫌な女 なのである。



純真無垢な 少女 であり続けることを望みながら

それを免罪符にして 女 であることも忘れない


そういう 狡猾さがある。



そういう人の文章を読んでいて

同じ女として私は


少し苛立ちを覚え

腹立たしさも感じ

なんてこの人は 嫌な女なんだろう と思う。




でも、それは



文学という 大義名分に裏づけされて

それをある種の パーソナリティにまで昇華させた


作家の ひとつのブランドとして

公に受け入れられている。



私は単に それが


妬ましかっただけなのかもしれない。




現実として

彼女は 彼女の文学の中で


多くの男性から 愛される女性として

描かれている。







彼女の 男性に対する愛情の表し方を鑑みるに







と 推測される。



私は

それが単に 羨ましいのだ。




だから そう思う私も

明らかに 江國香織 の文章に影響され


さらには 彼女の恋愛観までも

意識する しないにかかわらず


大きく 影響を受けているだろう。






江國香織が 嫌いだ と言った男の人。


江國香織が 好きだ と言う私。




言葉の 形が違うように

感情のベクトルも 大きく違う方向を向いてはいるが



江國香織という 作家の書いた文章の

言い含んだ意味 そこから読み取った意味


おそらく そこに


大きな違いと言うものは


見当たらないんじゃないか と 思うのだ。







  





2008年12月25日(木)
初日 最新 目次 MAIL PHOTO BBS


My追加