竜也語り

2005年05月04日(水) WOWOW「ロミオとジュリエット」

やっと見た(汗)。舞台を映像という形にするというのは正直限界もあると思うし、自分の好きな場面を映してくれない…などのストレスもあることは否めないのだが、それでも新しい発見があったり表情が恐ろしいほどよく見えたりと楽しいこともあるのだ。

ロミオの登場シーン。ロミオは届かぬ恋の想いに悩んでいる。その時にいじいじとセットの壁を軽くなぞりながら自分の切ない想いを告白している。その時にカメラは一瞬ロミオの手をアップに映した。ちゃんとロミオの手は語っていた。手までいじいじ(笑)。生ではどうしてもロミオの顔ばかり目が行ってしまうわけで(汗)。特にここの場面は席によってはあまりよく見えないところだと思ったが、こんなところまで神経が行き届いているとは…いやはや疲れるお仕事ですな。

さて、私が一番好きだった場面は舞踏会でロミオとジュリエットのキスシーンに持っていくちょっと前の二人のダンスシーン。この時のジュリエットを見つめるロミオの単純な要求を満たされた3歳児笑顔が好きだった。仮面を頭の上に乗せ、それがちょうど縁日のお面を頭の上に被った子供の姿と重なって、何とも愛らしかったのだが…。あれれ〜っ?なかなか仮面を外してくれない。そんな〜(泣)。きっとこの日はたまたま仮面を外すタイミングがずれたのでしょう…。あの笑顔を永久保存版に出来ると勝手に目論んでいた私には、これはかなりショック…。こんな時、やはり舞台は一期一会の世界なのだと痛烈に感じる。

今回の「ロミジュリ」の二人のシーンはうっとりすると言うよりは、ロミオの可愛らしさばかり私の中では印象に残っていたのだが、これもアップに映されるとまた少し様子が違ってくる。特にバルコニーのシーンはセットの一番上で演っていたので、細かい表情とか動きを楽しむというよりも、全体の二人の感じの雰囲気だけを堪能していた。しかしアップにするとちょっと“ドキッ”とするようなところもあったんですね。これもまたロミオの手に関ってくるのだが、ジュリエットの長い髪を撫でながら後ろへ流す仕草。何度かロミオがやっている。これはちょっと色っぽかったかな。ロミオに髪を後ろへ掻き分けて欲しくても、ショートの私では無理よね…などとつまらないことを考えながら恨めしく見させて頂きました…。
「誓って」とか「月に懸けて誓うのはやめて」とかジュリエットに好き放題要求され(汗)、その度に一々反応し嬉しそうにしたり不安そうな顔つきになったりと、ころころとロミオは表情を変える。そこには恋の駆け引きなど全くなく…ただただジュリエットの言いなりになっている正に恋の奴隷(笑)。そんなロミオの姿が情けなくもあり愛しくもあり…。この辺りをアップで更に客席とは違った角度でよく見れたのは嬉しい誤算だった。
ついでに言えば後半の薬屋のシーン。薬屋のドアを乱暴に叩いた後、薬屋がドアを開けるまでのロミオの見開いた目。あんな演技をしていたのね。あそこも殆んど後姿しか拝めなかったので新しい発見♪

ところで杏ちゃんの寝顔は可愛い。今回の放送を見て感じたのだが、杏ちゃんはやはり男だ。いや外見が男っぽいという意味ではないですよ。そもそも女優さんなんて気質は男だと私は思う。特に第一線で活躍している女優になればなるほど男気は強くなるような…。女優はその役柄を演じると同時に女も演じているわけで。そうなると今回の「ロミジュリ」は実際のところ男と男が演っていることになる。年齢を重ね、色々な意味で経験を積んでいけば杏ちゃんも巧みに女に化けるようになるでしょう(笑)。そんな時にまたこの二人の共演を観てみたいですね。でも根っこは男と男だよ(笑)。

今回のこの録画は確か東京公演の前半に撮られたものだったと思う。そのせいかバルコニーのシーンや教会の結婚式のシーンなどなど、比較的にあっさりしたもになっていて、下手をすれば物足りないと感じてしまう恐れがあるかも知れない。しかし竜也くんが「今日のロミオが最高のできだ!」と納得した公演のロミオが完成された1個の人間の形とすれば、このWOWOWで放映された「ロミジュリ」も、藤原ロミオの髪の毛の1本であるし、あるいは片腕にでもなっていると思う。これも間違いなく藤原ロミオの一部であると私は思うのだ。


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