まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2012年04月10日(火) ■本からのお話紹介その4…「掃除の力で会社を甦らせたお話」

今日も、昨日紹介した本からの紹介です。
今日は、実践編を。


「凡事徹底
平凡を非凡に努める」






この本を書かれている鍵山さんは、
裸一貫から「イエローハット」という
車用品販売会社を創業された方(現在は引退)です。



鍵山さんは、掃除など、
当たり前のこと、小さなことを
コツコツとやることが自分の力になる、と
言っておられ、それを自ら実践し
会社も大きくされ、さらに、
日本をよくするために、この教えを広め、
今も活躍されておられます。




その教えを実践して、
今も、会社を繁栄させている実話を紹介します。
会社をきれいにするということ徹底するために、
掃除から始めたという会社のお話しです。



(P83〜86から引用)


何か特別なことしないと人並み以上に
なれないのではないかと思って、
特別なことを探しているうちに
人生の半分くらいきて、
「特別なことがない」と
気がついたときにはもう遅い
ということがあります。

特別なことを探すよりも、当たり前の、
だれでも知ってはいるけれども、
やっていないことはいっぱいあります。
そういう小さなことに目を向けて、
それを徹底していただくことを
まずお勧めしたいと思います。
(略)



私が知っている限り、倒産した企業で、
きれいに騒然と掃除が行き届いていた会社、
整理整頓ができていた会社はひとつもありません。
そういう会社は無駄が多いのです。



岐阜県の恵那に
「東海神栄工業」
という会社があります。




社長が田中義人さんという方です。 
私は一昨年の11月23日に
はじめてこの方にお目にかかりました。




そのとき、
田中さんの会社は
大変汚れた会社でした。





ステンレス板に塩素ガスを使って、
配電基盤をつくっています。
塩素ガスはどんどん漏れてきますから、
機械は錆び、床はべたべたで、
長靴でも履いて仕事をしようかという汚い会社でした。
私は、はじめてお会いしたのですが、



「失礼だけれども、
 お宅の会社は汚いですね。
 これだけ汚なかったら、
 不良品がたくさん
 できるのではないですか?」




と聞くと、



「不良品がたくさんできて、
 よくお客さまに始末書を持っていって、
 二度とこういうことはありませんと、
 お詫びする」




という話をされましたが、
始末書が用意してあるんです。
しょっちゅう始末書を書いているということで、
始末書を持ってお詫びにいくことも
仕事のうちになっているわけです。
私が、



「きれいにしなければ、
 不良品はなくなりませんよ」





というお話をしたら、




田中さんはあくる日の朝、
自分の住まいのすぐ近所の
境内の掃除を始めました。
その神社の境内のトイレは
水洗ではないので本当に汚い。
そのトイレを全部洗って、
境内から掃除をはじめました。





そして、去年の一月のお正月明けに
幹部の方を連れて、うちの本社に
トイレ掃除研修に来られました。

幹部の方は、3チームほど来られましたが、
そのあとは、全社員を愛知県の春日井市にある
うちの名古屋支店に連れてこられて、
トイレ掃除研修をやられました。




2月に決定されて、
半年たった8月には、
以前は長靴を履いて仕事を
しなければならないようだった
工場の床がピカピカで、
すべって転びそうな会社に
変わっているんです。

すると、業界でこれ以上は絶対に
下がらないという不良率をさらに
下回るということになりました。





さらに、前は夜11時、12時頃までかかってやっていた
仕事が残業しなくても終わってしまい、
不良率も下がるという素晴らしいことが起きました。

電子関係の仕事はいまは大変な不景気です。
売り上げが半分ぐらいに落ち、下手すると、
半分以下になってしまうというような
厳しい状況で、田中さんの会社も影響を
受けておりますが、この業界全体からすると、
その程度は非常に少ない。




それだけでなく、
社員の方々はそういう
不況下にあっても、
実に生き生きと仕事を
しておられます。





最初、私が行ったとき、
皆さんは非常に暗い感じがしていましたが、
最近は会社をのことを説明したくてしようがない、
という感じです。
前には全然話もされなかった方が、
自分に説明させてもらいたいというふうに
人間も変わってきました。



ある方は、
人相まで変わっていました。




私が去年の暮れに行ったとき、
確かあの人はYさんだったと思うのに、
顔は似ているけれども違う。

聞いてみると
「あの人はYさんです」
ということでした。
すっかり人生が変わっているんです。

それまでは、自分勝手で、
人が忙しくても、自分だけは定時に帰ってしまう。
家でも、家族がみんなでどこかに行くといっても、
自分だけはビールを飲んで寝ているというような方
だったんですが、自分の母親や家族を連れて
旅行に行くまでになって、
家族の方も大変喜んだということです。



今日、くどくととお話をしたのは、
平凡な、なんでもない、
人が見過ごし、見捨てている中に、
素晴らしく大きな価値があるということを
見いだす力を養っていただきたいと
いうことです。




そういう力は、本で読んだり、
人の話を聞いただけでは駄目で、
やはり自ら手を汚して、寒い、暑いという
体験をしながら学びとっていかないと身につきません。
ぜひ、実践してみてください。

(ここまで引用)



この「東海神栄工業」
と鍵山さんの出会いは、1991年のことで、
その後も東海神栄工業では、この掃除を続け、
さらに、「掃除に学ぶ会」も発足し、
現在も続いているそうです。

(詳細はこちら→「掃除活動」



また、この本の中に、
「掃除研修」の話を聞いて、感激した社長が、



「これは素晴らしい、
 明日から会社でやります」 
と意気込んで帰り、会社(社員)でやらせようと
する社長がいるようですが、これでは駄目で、
まず、社長自らやらないと駄目だということです。





「そんなに感激したのなら、
 まず、あなた(社長)が
 明日からやってほしい。
 そして、できれば、
 最初は自分がやって
 やっていることも
 人に知られないくらい早く行って、
 社員が来たら、だれが
 やったか知らないけれども、
 トイレがきれいになったと
 いうようなところから、
 一人光るところから
 はじめてほしい」

と、自らはじめなければ、
うまくいかないと
言っておられます。





そして、特別なことをするより、
当たり前の平凡なことを非凡にする、
という考えから、少し前向きな
いい思想がわいてくると言っています。



鍵山さんは、会社だけでなく、
家でも、環境でも、
「整理整頓、清掃、清潔」が
必要だと言っています。




いつも、この本を読むたびに、
「そうだそうだ」と思い、
身の回りを掃除しますが…
ついつい日々の生活におわれ、
後回しになり、家の中が乱れ、
いかんと思って、また掃除する…
そんなことを繰り返しています。



でも、それでも、
そんな繰り返しでも、
意識は違ってきて、汚いと、
やはり「非常に気になる」
というふうになり、
家は片付くようになりました。
片付くと、気持ちがいいですからね。




片付けや掃除は、地味で面倒なことですが、
これが、日々の生活に豊かさをもたらす、
と実感しております。

掃除は、自分のためになります。
周りがきれいだと、掃除も楽だし、
気持ちもいいし、無駄な動きもしなくてすみます。

雑然としたところにきれいな置物があっても、
雑然に紛れて、きれいに見えませんが、
整理整頓してあるところに置けば、
目立って、とてもきれいに見えます。

部屋が雑然としては、精神的にも、
「ああ、汚い、掃除しなくちゃ」と
負荷がかかりますから、今日から、
少しずつ掃除をしていきましょう。




「掃除は、
 自分の力をあげる、
 運気も成功運もあげる、
 しかも気持ちがいい」




と、言いつつ、楽しみつつ、ね。
掃除で、自分力をあげていきましょう。



「凡事徹底
平凡を非凡に努める」






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