2012年04月09日(月) |
■本からのお話紹介その3…「スリッパを揃えても損はしない」 |
《お知らせ》
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《お礼》
■アンケートにご協力、本当にありがとうございました。 とても助かりました。<(_ _)> 本のプレゼントをお送りする方には、後日ご連絡いたします。 いましばらくお待ちくださいませ。<(_ _)>
今週も引き続き、本からのお話紹介になります。 じっくりと紹介したい本がたまっているので、 ぜひ、おつきあいくださいませ。<(_ _)>
今日は、こちらの本からの紹介です。 尊敬する鍵山秀三郎さんの書かれた本で、 この本も、何かあるたびに読み返す一冊です。
「凡事徹底 平凡を非凡に努める」
人間として、心に響く話がとても多く、 どれにしようかと迷ったのですが、 人生を豊かに過ごしていくために、 あるいは成功していくために、 こんなことが必要だというお話を。
(引用P22〜39から抜粋)
■微差、僅差の積み重ねが大差となる
微差、あるいは僅差の2つを いつも追求し続けることです。
普通、わずかな差だとついバカにしてしまうのですが、 例えば、いまここでAという方向でものを売っていたが、 これをBに変えるとします。
この差が大きければ、だれでも変えるのですが、 ほんのわずかしか結果は変わらない、 あるいは、成果がよくなるかどうかもわからない、 ということになると、だいたいやらないで、 今までやってきた方法を続けてしまいます。
どうしてかというと、 やり慣れたやり方が楽だからです。 だれでも、いままでやってきた手馴れた やり方の方が楽です。
例えば、歯を磨くのでも、 いままで横に磨いてきた人が、 歯医者さんから縦に磨きなさいといわれても、 すぐに明日から変えられるものではありません。
忙しいとつい「今日はいいや」と 横に磨いてしまって、また元へ戻るというふうに、 どんな小さなことでもいままでやってこなかったことを やろうとすると、抵抗があってなかなかできません。 そして、AとBとの差が少ないと、ついAに戻ります。
ところが、 Bに変えられる人は、 Cがいいと思うとC、 Dがいいと思うとD、E というふうに 変えていく努力ができます。
Fまでいった人を見て、 あれは素晴らしいから 自分もFをやろうと 挑戦する人も多いのですが、 これができなくてAに戻ってしまう… これが、世の中に大変多いわけです。
私はもともとが愚鈍で、何の才能もなく、 背景もなかったために、ほんのわずかでも いいことならばそれに取り組んできました。 それが結果として、長い年月を積み重ねて、 大きな力になってきたわけです。
例えば、私どもでは、今年度も600億近い 商売をするわけですが、ここのところ10年以上、 新規開発はしたことがありません。
普通、私どものような問屋業ですと、 しょっちゅう新規開発をして、 新しい会社、新しい会社と求めていかないと、 お客様が減り、売り上げが減っていってしまうのですが、 逆に今年度も10数件お客さまに取り引きを 辞退させていただくというふうに、 むしろ減らす方に骨が折れるわけです。
では、うちの会社はそれほどよそにない商品があるか、 あるいは、うちの会社だけが特別安いかというと、 そういうことはなく、全部よその会社と同じ商品です。 また、メーカーさんから買う条件も、 うちだけ特別に安いということはなく、 よそと同じ条件で買っております。
それでも、 そういう商品をうちから買いたい、 うちを通して買いたいと いうふうになるのは、 A,B,C,D,E,Fの 積み重ねが大差となって現れて、 それに目を止めてくださった結果だ と思うのです。
ですから、微差、僅差を大事にして 積み重ねると大変大きな力を 持ってくるということです。
ずいぶん前の日本経済新聞に、 夏目漱石が芥川龍之介と久米正雄にあてた 手紙のことが出ておりました。 この中で、漱石が龍之介に、
「世の中は根気の前には 頭を下げることを知っています。 火花の前には一瞬の記憶しか 与えてくれません。 だから、牛のよだれのように もっと根気よくやりなさい」
ということをこんこんと書いたのです。 世の中の人は、一瞬の記憶しか 人に与えられない火花ばかり追い求めるから、 人の記憶にとどめてもらえない。
そしてさらに、記憶してもらおうと 高い費用をかけて、大きな声で宣伝しなければ お客さまがきてくれない。 けれども、根気よくやれば、 根気の前には頭を下げることを知っていて、 自然に人が集まってくるという意味だと思います。
もともと、仕事というのは、 単調で単純です。 退屈で、見栄えのしない、 やりがいのないものだと思います。
ところが、それに耐えられなくて、 単純、単調でない、もっと派手な、 やればすぐに成果につながる、 すぐに儲かる、あるいは、人にすぐに認められ、 すぐに評価されることをやりたくて しようがなくて、結果的には、一つも いい評価につながらない… という人が多いのです。
(略)
私は今朝まで、用があってある温泉ホテルに 泊まっておりました。 風呂場に行くと、スリッパが山のようになっていて、 スリッパの上へスリッパが脱いであります。
何十足もあると私もできないのですが、 十や十五なら人のものでも、 ちゃんと揃えておいて入ります。 出てくると、また山のようになっております。 またそれを揃えて出てくると いうふうにしております。
それから、風呂場に入っても、 自分が使った腰かけの上にちゃんと 洗い桶を伏せておきます。 私が湯船の中に入って見ていると、 新しく入ってきた人は、 みんなそういうところへ行きます。 散らばっているところへは行きません。
その人は、元へ戻すかというと、 また自分は散らばせます。 それで、私が揃えて置くと、またそこへ行く。 だいたいそういうもので、 人の揃えた履きものを履いていきます。
そういう人が世の中に多いと つくづく思うのですが、 そういう部類に入らない方が 人生がよくなるのではないかと思います。
私は、人のスリッパを揃えてきて、 損をしたことはありませんし、 人の洗い桶を片付けて、 ひとつも損をしたことがありません。
むしろ、私のような愚鈍な人間が、 世の中でやっていけるようになったのは、 すべてこのお陰だと思っております。
いまからでも、遅くありませんから、 ぜひやっていただきたいと思います。 もう遅いなんて思う人は駄目です。 いまから、今日から、 やっていただきたいと思います。
(ここまで引用)
この話を読むと、 小さなこと、微差をついついバカにしがちで、 やらないでしまってますが…、 いやいやそうではない、そのようなことが、 本当の力になっていくのだと思えます。
「微差、僅差をバカにしない」 「積み重ねを地道にしていく」 「いいと思ったことはやる」 「いいことをやっても損はしない」
そして、実践していこうとも。 また、忘れかけていた心がけを思い出させてくれ、 原点に戻れるような気持ちにもなります。 私に撮っては、ありがたい本です。
みなさまは、どんなふうに感じましたか? 明日は、この話の実践編のようなお話です。
「凡事徹底 平凡を非凡に努める」
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