まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2012年04月06日(金) ■本からのお話紹介その2…「まずは、私が変わる!」

今日も、本からのお話紹介です。
今日は、こちらの本からです。


「仕事が夢と感動であふれる
5つの物語(講演CD付)」







この本には、5つの話が書かれていて、
どの話も本当に心に残ります。

 1.馬車のパレード
   「たった一人の戦い〜
    何が何でも成し遂げると決めた私の決断」
 2.日本一のパパ
   「子どもが誇りに思うような父親に絶対なる」
 3.今日の言葉
   「社員の心を動かした言葉」
 4.はじめての御輿担ぎ
   「御輿かつぎを楽しんだ後に…」
 5.菜の花鉄道
   「線路の周辺に菜の花の種をまく」




今日は、この中から
「日本一のパパ」を紹介します。



この話は、木村(仮名)さんという
三店舗のラーメン店経営者のお話です。




厨房で下働きをしていた木村さんは、
念願かなって一店舗目をオープンすると、
一時はそれなりの人気店になり、その勢いで続いて、
二店舗目、三店舗目をオープンさせました。
ところがその後、売り上げはいっこうに伸びず、
次第に客数も減少していったのです。

毎日、朝早くから休みなく働き続け、
スタッフが帰った後も、深夜まで一人片付け、
駅前でチラシを配ったり、お客様に割り引きチケットを
配ったり、ポスターを貼ったりして、
我も忘れて、一生懸命働いているにもかかわらず、
毎月150万円前後の赤字を出し続ける状況にまで
なってしまったのです。



そんな状況下で、
こんなことがありました。





(ここから引用P41〜49)



■日本一のパパ


どんなに努力をしても、どんなに働いても、
いっこう店の状況がよくなる気配もなく、
どうしたらいいのか、ずっと悩み続けていましたが、
なかなかこれといった打開策も見つかりませんでした。

次第に顔からは、笑顔が消え、
いつも眉間にシワを寄せていました。
自信を無くし、生気もなくなっていきました。

木村さんが帰宅すると、
妻の幸子さんと幼い子どもが寝ています。
その横で静かに着替えていると、
目を覚ました幸子さんが、
小さな声でいつも言います。



「今日も遅くまで、お疲れ様…」
「…まあな…」




そんなとき、木村さんは何と返事していいのかわからず、
いつも力のない返事になってしまいます。



『妻に心の内を話したところで、
 どうにもならない。
 自分一人で解決するしかない』




もちろん、夫の苦しい状況は、
妻の幸子さんもうすうす感じてはいたのですが、
「お疲れ様」と言う以外、伝える言葉がありませんでした。
幸子さんも、なかなか寝付けない日々を過ごしていたのです。
何もできない歯がゆさに苦しみながら…



そんなある日。



木村さんが、いつものように明け方になって家に帰ると、
寝ている幸子さんの横で、子どもが起きていました。
何げなく、そっと抱き上げました。

そして、あやそうとすると、
やっと片言で話し始めたばかりの子どもが、
自分に何かを伝えようとしています。



「………ぱぱ…」



何を言っているのか、
はじめはよくわかりませんでした。



「ん?」
「……んち…ぱぱ」




それでも、子どもは同じ言葉を
何度も言っているようです。



「な〜に?……」
「…いおんちの…ぱぱ」




こちらの顔をじっと見て、
必死に何かを伝えようとしています。



「何の、ぱぱ?」




そして、とうとう、
子どもの言葉をはっきりと
聞き取ることができました。

「にほんいちのぱぱ」





「!」

思わず、木村さんの目に涙があふれ、
頰を伝って流れていきました。

「………………」

子どもを抱きながら、
ただ泣きました。





それまで、必死に耐えていた心のたかが外れたように、
あふれてくる悔しさを我慢することができなくなりました。



『悔しい…
 なんと、自分は情けない人間なんだろう。
 子どもの言葉に素直に、「そうだよ」と
 うなずけない自分が…本当に悔しい。
 日本一どころか、明日食べていけるかどうかも
 わからない。この子は、それでも自分のことを、
 日本一と思っている……』




涙を流している木村さんに向かって、
また子どもが瞳を輝かせながら言いました。




「にほんいちのぱぱ」




(略)その日、木村さんは、
布団の中で目をつむっても涙が止まらず、
とうとう一睡もできませんでした。



翌日、木村さんは真っ赤な目をしたまま
スタッフを集めて言いました。





「今日から、
 すべてを変える。
 料理の味も、接客も、
 何もかも変える」





いきなり聞かされたスタッフは、
きょとんとした反応でした。



「どうするんですか?」
「どんなふうに変えるんですか?」




スタッフは皆、何かを変えた方がいい、
とは思っていたのですが、どうしていいか、
わからなかったのです。



「俺にも、わからん…。
 今は、わからん。
 でも、変える」
「そうは言っても、
 まず何から変えるんですか?」





「何のためにですか?」
「日本一になる!」





それから木村さんは一念発起し、
よいと思ったことは、次々と行動に移していきました。
とにかく、どんなにささいなことであっても、
自分にできることを探し続けました。




『どんなに苦労してもかまわない。
 子どもがほこりに思うような
 父親に、絶対になる!』





毎日、毎日、必死で研究を続けました。
どんなに失敗しても、そこから何が学べるかを考え、
次のチャレンジに活かしていったのです。
その結果、次々と新しい料理を作ることに
成功していきました。



実は、この話の陰には、妻、幸子さんの
見えない支援があったのです。
仕事の面では直接手伝うことができない幸子さんは、
心の中でいつも彼を励まし続けていました。
帰りの遅い父親がいない家の中で、
毎日子どもに語りかけていたのです。





「あなたのパパは、
 日本一のパパよ」





私たちは、自分の思い通りにならないことを、
他人のせい、環境のせいにしてしまうことがあります。
そして、まわりに期待して、いつも裏切られ、
不満を言ってしまいます。
不満をいくら言っても、
何も解決しないことはわかっていても。



人は、夢がなくて、本気になれないとき、
他人のせいにするものです。
限界を作ることができるのは、自分だけです。
夢をあきらめることができるのも、
自分だけです。




自分があきらめない限り、
夢が私たちをあきらめることはありません。
夢はいつまでも、私たちがやってくるのを
待ち続けてくれるのです。



大切なことは、心配することではなくて、
自分がこれからどうしたいか、
どんな人生を送りたいのかを考えることです。
つまり、夢を持つことです。


(ここまで引用)



この話を読むたびに、
誰かのやっていることを信じて応援していく、
そのことがどんなに大きな支えとなるか、
実感として深くしみいってきます。
誰かが、何かうまくいかなくなったりすると、
すぐに



「遅くまで何をやってるの?
 効率悪いんじゃない?」
「そのやり方だから、うまくいかないのよ」
「やっぱり、あなたには力がないのかもね」
「もっと、ぱっぱとやりなさい」




なんて、言わないまでも、
心の中で批判したり、あからさまに顔に出たり
してしまいがちです。



でも、その人のやっていることを認め、
やる気やその人の潜在能力を応援する、
そんなことが大切だと思うのです。
家族なら、なおのこと。

(なかなかできませんけど…(泣))



お互いに支え合って、
目標や夢の達成に向かっていきたいですね。
そして、何倍もの力を出し合えるといいですね。


この本には、力になる話が書かれているので、
おすすめです。

「仕事が夢と感動であふれる
5つの物語(講演CD付)」







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