2009年12月24日(木) |
クリスマスのお話…プレゼントについて |
やっぱり暮れともなると、バタバタとしますね。 昨日は、大変失礼いたしました。 <(_ _)>
さて、今日は、クリスマスなので、 クリスマスにちなんだお話を… 過去のクリスマスのお話はこちら↓ 「クリスマスのお話」
今日は、ちょっと考えさせられたお話です。 以下の本からの紹介になります。 心があたたかくなるようなお話がいっぱい 書かれている本で、読みやすいので、 本を読むのが苦手だという方にも おすすめです。
「明日、きっといいことがある」
■「最後のクリスマス」 (ページ37〜39)
私の父は、病と闘っていました。 父は、末期ガンだったのです。
その年のクリスマスは、父の最後の クリスマスになるかも知れませんでした。 特別なクリスマスにしてあげたい、 と私は思いました。
グランドファーザー・クロック (振り子式で床置きの大型箱時計) を作って、それを父に贈ろうと考えました。 父は、ずっとグランドファーザーを ほしがっていたのですが、高価で、 買うことができなかったのです。
時計をつくるなんて、 そんなことができるだろうか。 私は自信がありませんでした。 けれど、だからこそ、自分で作って贈ったら、 父はどんなに喜んでくれるでしょうか。 きっと、大事にしてくれるに違いありません。
私は、とても精巧な 手作りキットを買ってきました。 そして、難しい組み立て作業に 取りかかったのです。
父に内緒のプレゼントです。 私は会社の仕事を終えると、 毎日兄の家へ行って、作りました。 いくら説明書を読んでも、なかなかうまくいきません。 毎日3時間近く、黙々と作業を続けました。
そのうち、なんとか時計らしくなってきました。 私は嬉しくて、一日も早く完成させたいと思いました。 プレゼントの包みを開けたとき、 父はどんなに驚くでしょうか。 どんなに褒めてくれるでしょう。 私は鼻高々の気分でした。
時計は、 10月半ばにはできあがりました。 私はキレイに時計を包むと、 真っ赤なリボンで結びました。
クリスマスイブまで、まだ2ヶ月ありました。 翌日、私は出張でワシントンに発ちました。
2日後の朝、 出張先のホテルで、電話がけたたましく鳴りました。 兄からでした。
「父さんが、亡くなった」
兄は泣きました。 その年のクリスマスは、 悲しく残酷なクリスマスでした。
母は大きなクリスマスツリーを買ってました。 プレゼントもたくさんありました。 今の隅には、私が一ヶ月かけて作った立派な オーク材のグランドファーザー時計が立っています。
父の姿だけありません。 父がいないクリスマス、 そんなクリスマスになんの意味があるでしょう。
私は、父の最後の一ヶ月を、 時計作りにかまけていたのです。 なぜ、父のそばにいてあげなかったのか、 悔やんでも悔やみきれませんでした。
プレゼントなど、どうでもよかったのです。 父は、どんなに息子にそばにいて ほかったことでしょう。
物を贈るのは虚しいことです。 私たちがほんとうの幸せを感じるのは、 大切な人と過ごすひとときだということを、 私は大きな痛みをもってしったのでした。
ここまで引用
同じプレゼントでも、 こんなお話も書かれています。
■「サーカスの夜」 (ページ34〜36)
私がまだ10代の頃の話です。 ある晩、私と父はサーカスの入場券を買うために、 列に並んでいました。
他の人々はみな買い終えて、 列には私と父と、それから、 ある家族だけになっていました。
それは、2親と幼い子ども8人の、 見るからに貧しそうな一家でした。 子どもたちは袖口のすり切れた、 しかしこざっぱりした服を着て、 2人ずつ手をつなぎ、親の後ろに おとなしく並んでいました。
ピエロや象や曲芸師… 今夜はこれから繰り広げられる出し物について、 楽しげにささやきあっています。
サーカスを見るのは始めてなのです。 どんなに胸をおどらせていたことでしょう。
父親と母親は、列の先頭に立ち、 とても誇らしげでした。 母親は、さも自慢げに父親の顔を 見つめています。 父親も嬉しそうにほほえみながら、 わが子の様子を眺めていました。
入場券売り場の窓口で 枚数をたずねられたとき、父親は、
「子ども8枚、 大人2枚ください」
とはずんだ声で言いました。 ところが金額を聞くと、 父親の声は震えました。
「いくらですって?」
父親は窓口に身をかがめ、 もう一度たずねました。 係員は、金額を繰り返しました。 母親は、つないでいた父親の手を離して、 うなだれました。
お金が足りなかったのです。
けれど、こんなに楽しみにしている子どもたちに、 どうして本当のことが言えましょう。
一部始終を見ていた私の父は、 ポケットに手を入れると、 20ドル札を取りだし、 地面に落としました。 そして、それを拾い上げると、 父親の肩をたたき、言いました。
「もしもし、 お札を落としましたよ」
どうにも途方に暮れていたのです。 父の親切がどんなに嬉しかったことでしょう。
彼は父の目をじっと見つめ、 手を取って両手で握りしめました。 そして、目に涙をためて言いました。
「ありがとうございます。 子どもたちが、どんなに喜ぶことか。 ありがとうございます」
私の家もけっして裕福ではありませんでした。 父と私は車に戻ると、家路をたどりました。 その晩、私たちはサーカスを見ることが 出来ませんでした。 けれども、それで満足でした。
私の父は、貧しい家族に施し(ほどこし)を したわけではありません。 困っている人を見てみぬふりをして、 自分たちだけいい思いをすることは 出来なかったのです。
ここまで引用
今日は、心あたたかくなるような そんな一日をお過ごしください。 そして、周りの方々にも、あたたかさを 分けてあげてください。 私も、そうしたいと思います。
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