2008年11月13日(木) |
「愛すること」と「好きなこと」は違う。 |
さて、今日も昨日に引き続き、 本からのお話の紹介です。 このところ、とてもいい本を読んでいるので、 ぜひ、この話も教えたくなりました。
本のタイトルは、 「自分の中の大事なもの」 で、宗教家のひろ さちやさんの書かれた本です。 本日の「今日のことば」でも紹介した本です。 (紹介したことばは→「青色青光・黄色黄光」)
ひろ さちやさんの本は、 大分以前にかなり読んだので、 このところ遠ざかっていたのですが、先日、 ちょっとしたことで、この本を手に取りました。
すると、びっくりしました。 以前は、見逃していたり、 気がつかなかったことが 見えたのです、気づいたのです。 大人になったってことですかね〜
そして、 ああ、こんないいことが 書かれていたんだ…と あらためて知ったのです。
それで、今日は、そんな 「なるほど、そういうことか…」 とあらためて発見したことが 書かれていたお話を紹介します。
「あなたの敵を愛する」 (P22〜P25から引用)
キリスト教という宗教においては、 「あなたの敵をも愛しなさい」 と教えていることは、みなさんも 聞いたことがあるでしょう。
わたしたちは、 仲間を愛することはできるかもしれませんが、 敵を愛することはなかなかできません。 そのむずかしいことを、キリスト教をはじめたイエスは、 みんなに「しなさい」と命令しているのです。 ところで、日本のおとなたちのうちには、
「敵をつくってはいけません。 みんなで仲良くしなければいけない」
と主張する人がいます。 つまり、敵なんかいないと、いうのですね。 しかし、わたしはその考えに反対です。 イエスが言っているのは、
「この世の中には、 敵はいる。 しかし、 その敵を愛しなさい」
ということなのです。 イエスは、敵なんかいない、とは言っていません。 わたしは、イエスの考え方のほうが正しいと思います。 敵はいるけれども、わたしたちはその敵を 愛さないといけないのですね。
でも、敵を愛するなんて、 とてもむずかしいですね。 そんなこと、できないよ…… と言いたくなりませんか。
しかし、こう考えてみてください。 もしもあなたが、 「敵を好きになりなさい」 と言われたらどうしますか?
わたしであれば、そんなこと、 絶対にできないよ……と答えます。 また、実際にそうだと思います。 戦争の時、敵を好きになることなんてできません。 それは絶対に不可能なことです。
ここで大事なことは、 「愛する」ことと、 「好きになる」ことは 違っている… ということです。
つまり、 「あなたの敵を愛しなさい」 というのは、 「あなたの敵を好きになりなさい」 ということではありません。
好きにならなくてもいいのです。 きらいでもかまいません。 きらっていても、その人を 愛することができるのです。
だから、イエスは、 「あなたの敵を愛しなさい」と 言われたのです。 わたしはそう思います。
むずかしいですか? こういうふうに考えると わかるでしょう。
あなたのクラスに、 あなたのきらいな人がいるでしょう。 もちろん、その人は敵ではありません。 たんに「きらいな人」です。 でも、ここではかりに、その人を敵だとしましょう。
すると、イエスが言っているのは、 あなたはその人を好きになりなさい、 ということではないのです。 その人をきらいなままでいいけれども、 その人を愛しなさいということです。
きらいなままで愛する…… というのは、 どういうことでしょうか?
まず、 その人をいじめないことです。 きらいだからいじめたくなりますが、 そうすると愛したことになりません。 だから、 きらいだけれどもいじめないのです。
それから、 その人の大事なもの…… いのちや財産など…… を奪わないことです。 そしてまた、 その人を助けてあげることです。
きらいだけれど、 その人を助けてあげることができれば、 それが愛していることになるのです。
(ここまで引用)
私は、この話を読んで、本当に 「なるほど、そういうことか… 「好きなこと」と「愛すること」 は違うのか…」 と、心からそう思いました。
つまり、愛するというのは、 「相手のことを尊重すること」 なのだと、思ったのです。 もっというと、 「尊重し、助ける」 ということですね。
「好きなこと」は、素直な自分の感情で、 「愛すること」は、想い、行動することなのだと。 そして、だとしたら、 こんなこともあり得るのだとも。
●好きで、愛してる。 (好きだし、尊重し、助ける)
●好きだけど、愛してない。 (好きだけど、尊重せず、助けない。 好かれること、愛されることだけ望む)
●きらいだけど、愛している。 (きらいだけど、尊重し、助ける)
●きらいで、愛してない。 (きらいで、尊重もせず、助けない)
こうしてみると、 「愛すること」がいかに大切なことかが、 わかるような気がしました。 そして、尊重はできても、助けるまでいくには、 かなりの努力がいるとも… みなさまは、どう感じるでしょう。
最後に、この本では、 こんなことを言っています。
「自分のことを きらっている人がいます。 きらっていても、 好きになれなくても、 いいのです。 でも、そんな自分を、 愛してあげてください。 自分を好きになれなくても、 自分を愛することはできるのです」
奥深くて、読みごたえがある本で、 読書に秋に読むのに、ふさわしい本です。 時間をつくってでも、読んでみてくださいね。 (宗教のことが書かれていますが、 押しつける本ではありません)
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