夕方いつものようにウォーキングに出た。
すこぶるウォーカーと、
取り替えたばかりの万歩計をしっかりつけて、
るんるんと出かける。

さて、今日は、くねくね道を探して歩く
「くねくね細い道コース」を行くことにする。
新しい細い道を探して歩くのが楽しみのコースである。

だいたいこのあたりは歩いてしまったので、
今日は、四谷近辺当たりの
くねくね細い道コースを求めて行ってみることにした。

いつものように、近くの公園でストレッチ後、
てくてくと、目的地に向かって歩く。
目的地というほどでもないが…

てくてく…

しばらく歩くと、知らない小道を見つける。
「この道は歩いたことがないぞ、ふっふ」
こんな道を見つけると、無性に嬉しい。
その道をどんどん入っていくと…

ややっ…

マンション建築反対の旗が、何本か立ち、
ひらひらとしている建築現場を見つける。
おおっ、ここでもマンション建築反対しているぞと
思い立ち止まる。

どうやらこのマンションは、日照問題が
持ち上がっているらしい。
かなり大きなマンションである。
しかし、その旗の奥で工事がかなり進んでいる。
その反対運動旗をながめていると、
後ろから、

「このマンションを買う予定の方ですか？」
とおばさんに声をかけられた。
「いえ、違います、ちょっと見ていただけです」
と答えると、
「このマンションができると、多くの家が
　日が当たらなくなるんですよ」
と教えてくれた。

「どういう風にですか？」
「この辺は家が密集していて、みんな平屋なのに、
　そこに７階建てのマンションを建てるのです。
　それにこの細い道に車が入ってくるので、
　これからあぶなくなるんです」

この道は、相当細い。
この細い道に、マンション住民の車が入るように
なったら、大変なのではないか…

「ひどいですね。実は、ウチの近くでも
　反対運動していて…」
と、私も話しをした。

聞いてみると、こちらのデベロッパーは
住民説明もろくにしてないほどの、ひどさであった。

「何度、詳しい話しをしてくれと頼んでも、
　一度したから、もう説明することはないと言うんです」
「ひどいですね」
「ひどすぎます」
「この頃は、その地区に住んでいる住民なんて
　どうでもいいんですね」
という結論に達した。

なんだか…どうもおかしい。
本当に今まで住んでいる住民を無視している。
これでいいのか、行政？
こんなことで、盛り上がっていると…

ぽつぽつ…

雨が降ってきてしまった。
しまった…傘がない。
そのうち雨がどんどん強くなってきた。
２人で、近くの屋根の下に移動する。

すると、そのおばさんが
「傘持ってないんですか？」と聞く。
見ればわかるが、持ってない。
全くの手ぶらである。

「ええ、今ウォーキングの途中だったので…」
すると、そのおばさんは、
自分の持っている傘を差しだして
「これ、持っていきなさい」という。

「いえいえ、夕立のようだから、止むまで
　雨宿りしますよ」
と言うと、
「いいから、持っていきなさい、
　これ、１００円ショップのだから。
　ウチは、すぐそこだから大丈夫」
と言って、傘をくれたのだ…

「どうも、ありがとうございます」とお礼を言って、
１００円ショップの透明傘をもらって、
強くなってきた雨の中を無理に歩き出した。

しかし、歩き始めたら、ざーざーと
ものすごい雨になってきた。
買ったばかりのすこぶるウォーカーが濡れると
思い、雨宿りすることにした。
（もうかなり濡れていたが…）

大ざーざー

すごい降りになってしまった。
これじゃ、１００円ショップ傘は役に立たない。
何もすることがない…
仕方ないので、その軒下でストレッチをした。
２０分くらいか…

雨がやっと小ぶりになってきた。
その合間をぬって、途中でウォーキングを
取りやめて帰ってきたのでした。

あーあ、新しいすこぶるウォーカー
すっかり濡れちゃった…ちっ。

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