今日は、住民はほぼ反対している
高層マンションの「工事施工説明会」があった。
まだ、住民との何の歩み寄りもないのに、
９月中旬から、新築工事に着工すると言うのだ。
そのための、工事説明会があった。

どうやら、すでにスケジュールがパツパツらしい。

渡された資料を見ると、とてもバランスの悪い
高層マンション立面図が入っていた。
（はじめて見た）
なぜ、この形でないと採算がとれないのか…
どう考えても理解できない立面図である。
私はしろうとだが、私でも、違う形にしても、
採算がとれる建て方があるだろうと思ってしまう。
でも、これでないととれないと業者は言う。
何が何でも、高層マンションにこだわるらしい。

最初の挨拶で、関係業者側は、
「まだ、みなさまと合意はできてないが、
　とりあえず工事説明会をしたい」と言った。

「よく、やれるなっ」などの怒号。

しかし、取りあえず、聞こうと言うことになった。
長々と工事説明や、工事協定書について説明があった。

何でも、これから２年半にわたる工事、
それにまつわる様々な不便を「ご理解願いたい」と
言うことであった。

その説明の後、質問時間になった。

「住民と結ぶこの工事協定書は、どのくらい効力が
　あるのか、誰と結ぶのか」
「基本的には、世話人の○○さんと結ぶことになると
　思っています。この効力は、別に法律によって
　縛れているものではなく、この協定書がなくても、
　工事はできます。
　協定書を結ばないで工事をすることもあります。」

「つまり、こちらが了解しないと言っても、
　この計画通りに工事を進めるってことだな？」
「そういうことです。しかし、こうして提出して
　いるわけですから、何かご意見があれば聞きます」
「これを今見て、今意見や直しは言えない。こちらは、
　しろうとだから。しかるべき専門家に見てもらって、
　返事をする。だから、この協定書ができるまで、
　工事着工するのを待ってほしい」
「手直しはしますが、工事を遅らせることはしません」

住民が反対しても、住民と協定書が結べなくても、
何が何でも、９月中旬から着工したいのだ。
協定書は、業者側の好意と言わんばかりの対応。

「解体工事の時の振動と騒音がひどかったけど、
　何の対応もなかった」
「こちらとしては、目には見えないかもしれませんが、
　努力をしているつもりです」
「これから、何があっても、努力してるつもりと
　言うのではないか？」
「出来るだけ、音の出ない機械を使います。また、
　解体工事より、振動も騒音も少なくなるはずです」
「もし、そうならなかったら？」
「出来るだけ、そうならないようにします」

らちがあかない。

「私のウチはアパートだが、これが建つと、
　空は見えないし、日当たりは悪くなるし、
　価値が下がる可能性がある、これはどう考えるのか？」
「それについては…、今日の工事説明会とは全く
　別のものになるので…我々は答えられません」

実は、今日は一番の責任者の事業主が出席していないのだ。
工事施工だから、工事関係者と代理業者だけだ。
なので、こんな質問には答えられないのだ。

「こんなに反対があっても、区の行政指導があっても、
　この高層マンションを建てると言うんですね？」
「それについても、事業主でないと答えられません。
　今のところ、計画変更予定は聞いておりません」

ということで、粉砕。
住民側は、怒りにふるえている。

とにかく、この業者は、
この計画を何が何でも進めたい、その一点張りである。
そのために、住民に不便をかけるが、
それを了解してくれ、と押しつけているのだ。

私は、こんなことが許されるものなのかと、
本当に驚いたが、この業者と反対運動をしている
他地域の事情を聞きいてみたら、もっとひどかった。
こんな業者が、まかり通ってしまうのか…
これが許されるのか…

暗澹たる気持ちになって帰ってきたのであったが、
しかし、ここで引き下がる訳には行かない。
また、行政指導が入るはずだし…

どうなるのか…この計画。
このまま進んでしまうのか…

情勢は限りなく心許ない。
しかし、出来ることはやってみようと、
心に誓ったのであった。

■「ことば探し」に戻る→http://www.kotobasagashi.net/